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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその二

「どうしますか」
「ここは空と陸からじゃ」
「一気にですか」
「攻めるぎゃ」
「それも奇襲で」
「そうだぎゃ、けれどまずはこちらからはぎゃ」
「攻めませんか」
「こっちは山に布陣してる」
 見れば主力はそうしている、それに対して関西の軍勢はその麓、山々を後ろにしてそのうえで布陣している。
「向こうが攻めてきたらぎゃ」
「その時にですか」
「思いきり木やら岩やら落としてな」
「それで攻めるのを挫いて」
「そこからこっちが攻めるぎゃ」
「そうしますか」
「では棟梁」
 また雅が坂口に言ってきた。
「相手を誘い出すか」
「若しくはぎゃ」
「混乱させて攻めさせるか」
「出来るか、雅ちゃん」
「はい」
 一言でだ、雅は坂口に答えた。
「必ず」
「そうか、ほな敵の軍勢のな」
「僅かでもですね」
「混乱させてじゃ」
「わざとこちらを攻めさせる、しかも」
 その緑の目を光らせてだ、雅は坂口に言った。
「夜に」
「そうだぎゃ」
 坂口は雅に鋭い目で答えた。
「夜はよく見えん種族が多い」
「はい、わかっています」
 雅の方もというのだ。
「それで、です」
「雅ちゃんも言うたな」
「そうです」
「それはわかるぎゃ、ではだぎゃ」
「私が夜に相手に術をかけます」
「少しでもええぎゃ」
 坂口は多くはいいとした。
「後は他の奴等も続くぎゃ」
「そして騒がせて攻めさせて」
「そこをぎゃ」
「本陣から丸太や岩を落としましょう」
 坂口の言う通りにというのだ。
「それで相手の出鼻を挫き」
「そこから反撃じゃ」
「棟梁は本陣から攻めて下さい」
 雅は坂口にこう勧めた。
「そして敵が山から落として」
「そこで」 
 滝沢が雅に言ってきた。
「僕は」
「そう、滝沢君は騎馬隊を率いて」
「一気に攻める」
「そうして下さい、そして棟梁も攻めますが」
「拙僧もですな」
 正宗が雅に聞いてきた。
「棟梁と共に」
「僧兵達を率いて一気に山を降りて攻めて下さい」
「そうしてですな」
「はい、一気に潰します」
 敵の軍勢をというのだ。 
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