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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十一話 お風呂でその三

「そうでしたね」
「はい、そうです」
「だからですね」
 僕は畑中さんのその引き締まった筋肉を見ながら言った。
「ご高齢でも」
「そこまで言われますと」
「いえ、本当に凄いと思います」
 僕の年齢でもだ、そうそうない位の体格だからだ。
「やっぱり鍛錬を続けていますと」
「はい、身体は衰えないです」
「そうなんですね」
「鍛錬という言葉はです」
 それはというと。
「千日の修行、万日の修行です」
「鍛が千日で」
「錬が、ですね」
「万日です」
「一万日修行してですか」
「ようやくと言われています」
 一つのものになるというのだ。
「ですから私もです」
「まだまだっていうんですか」
「はい、そう考えています」
「ではその体格も」
「まだまだです」
 お歳を全く感じさせない、五十代にしても相当に鍛えられた体格であってもというのだ。
「私なぞは」
「そうですか」
「これからもです」
「鍛錬を続けられますか」
「そのつもりです」
 こう言うのだった、僕に。
「ではこれより」
「はい、お風呂ですね」
「それに入りましょう」
「わかりました」
 見ていて負けそうに思えた、しかも畑中さんは結構背もある。一七五位だろうか。
 けれど今はもう言わないでだ、畑中さんと一緒にだった。
 まずは身体を洗った、二人でお風呂の席に座って銭湯にあるボディーソープをスポンジに付けて洗った。
 そうしつつだ、畑中さんは僕に話してくれた。
「まずは、です」
「はい、お風呂に入ったら」
「身体を奇麗にするものですね」
「そうですよね、他の人も入りますし」
「身体を洗いましょう」
「はい、こうして」
「そして」
 身体を洗った後にというのだ。
「それからですが」
「どのお風呂に入りますか?」
「サウナに入りましょう」 
 畑中さんが提案したのはそちらだった。
「そうしましょう」
「サウナですね」
「サウナで汗をかいて」
「それで、ですね」
「水風呂に入り」
「それからですね」
「またサウナに入りましょう」
 そうしようというのだ。
「はい、そして」
「そのうえで、ですね」
「お湯に入っていきましょう」
「何か最初にサウナに入るのが」
 僕は身体を洗いつつ畑中さんに応えた。 
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