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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十話 見えないものその三

「そこに行こう」
「もうすぐですね」
「そうだな」
 微笑んでいた、井上さんは今も。
「楽しみだ、あと少しだ」
「そしてそこから」
「ハウステンボスも海も見よう」
 そのどちらもというのだ。
「是非な」
「それじゃあ」
「うむ、しかし君は」
 井上さんは僕の顔を見てだ、そのうえでこうしたことも言った。
「昼にも飲んでいたな」
「はい、ワインを一本」
「その割にすっきりしているな」
「酔っていてもですか」
「あまりそうした感じはない」
 そうだというのだ。
「昨日の夜も相当飲んでいたな」
「三本か四本は開けてました」
 何かこの時僕の記憶は曖昧だった、夕食で二本そしてその後にマルヤムさん達とパエリアを食べている時に二本だったか。
「そうでした」
「かなりだな」
「はい、ですが」
「あまり残っていなかったな」
「それでさっきも一本空けました」
「その割にはだ」
 僕の顔を見てまた言った。
「すっきりしているな」
「そうですか」
「酔っている顔ではない」
「だといいですが」
「うむ、強いのか」
「そうでしょうか」
「焼酎を一本空けられるな」
「はい」 
 それ位ならとだ、僕も実際に答えた。
「焼き鳥とかと一緒に」
「二本はどうだ」
「ぎりぎりですね」
「やはり強い、だからか」
 今もというのだ。
「そこまで酔っていないか」
「そうなりますか」
「やはり君は強い」
 お酒にというのだ。
「もう抜けはじめているな」
「暑いし汗もかくし」
 横からニキータさんも言ってきた。
「だからね」
「そのこともあって」
「義和そんなに酔ってないのよ」
「そうなるんだ」
「それで観覧車の後どうするの?」
「お酒が抜けてたら」
 そういえば言葉も普通だ、別にろれつがおかしくもなっていない。至って普通のまま二人とも会話が出来ている。
「お風呂行こうかな」
「ここの?」
「うん、ハウステンボスのね」
 まさにここのだ。
「そこに行こうかな」
「そうするの」
「うん、お湯に入ってサウナや水風呂も楽しんで」
 勿論身体も洗ってだ。
「そしてすっきりしようかな」
「お風呂か、いいものだな」
 お風呂についてだ、井上さんは腕を組んで僕に賛同してくれた。 
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