夢幻水滸伝
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第七話 夜襲の後でその八
「それであれをや」
「消さんとやな」
「ちょっと以上にまずい」
「悪人の場合はやな」
「言うたけどこの世界は基本死んでも魔法で蘇ることが出来る」
鵺はまたこのことを話した。
「身体がなくなってもな」
「そこまでなってもやな」
「魂あればや」
蘇ることが出来るというのだ。
「寿命でもな」
「そうやねんな」
「ああ、病気で死んでも治ってな」
「それで寿命までやな」
「生きることが出来るんや、魂がある限りな」
それこそというのだ。
「死ぬことはない」
「それ自体はええことやけどな」
「悪人までそうなる」
鵺は中里にこの事実を指摘した。
「そやからな」
「根っからの悪人はやな」
「ここでどうにかせなあかん」
「そやから魂もか」
「何とかせなあかんのや」
「それで今から連中の魂を消すんか」
「ああ、けどこれはちょっと普通のやり方やったらあかん」
こうもだ、鵺は中里に話した。
「方法は幾らでもある」
「それでその方法は何や」
「ああ、神具で攻撃するか僧侶とかの力でお経とか唱えてな」
「成仏させるんやな」
「善人やったらそうなるけど悪人は違う」
彼等の場合はというのだ、つまり今しがた倒した者達だ。
「地獄に送るんや」
「成仏させるんやなくてか」
「そや、その魂をな」
「そうするか」
「それやったらええな」
「ああ、今からやな」
「実は前に自分が倒したならず者達もそうしたけどや」
中里が最初に成敗した三十人程の者達もというのだ。
「僧侶のお経とか、まあ魔法使う奴の基本中の基本で誰でも使えるけど」
「魔術の系列でもか」
「自分も使えるで、侍は陰陽道も使えるな」
「ああ、それは陰陽道は西洋の魔術やしな」
「同じ系統やから普通に使える」
「ほな今からそれと神具振るって地獄に送るな」
自分達を睨んでいる魂達を見据えてだ、中里は言った。
「一人残らず」
「そうするんや、こんな連中は地獄に送らなあかん」
そこまでの悪事を犯してきた、それ故にというのだ。
「ほなええな」
「わかった、今からな」
「やるで」
「ああ、やったろか」
中里は鵺のその言葉に頷いた、そして早速だった。
将兵達の中にいる術を使える者達にそうした術を使わせ難波と二人で魂達を斬った、すると魂達は彼等を恨みに満ちた目で見つつだった。
術を受けると煙の様に消え去り神具で斬り裂かれると紙が水の中に溶ける様に消え去っていった。そしてだった。
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