夢幻水滸伝
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第六話 飛将その十
「昼動くのも普通におるし」
「こっちの世界でもやな」
「そうでも驚ろかんわ」
実際にというのだ。
「別にな」
「そやねんな」
「ああ、それで日本のバンパイア族もやな」
「夜でも見える」
昼に動けてというのだ。
「それが出来る」
「そやねんな」
「普通の食事も出来てな」
鵺はこの世界のパンパイア達の資質をさらに話した。
「血からも栄養を摂れるんや」
「それでバンパイアやな」
「そや、まあ積極的に血は吸わんからな」
この世界のバンパイア達はというのだ。
「殺すとかまでして」
「こっちの世界と違ってか」
「ああ、人間の血も吸えるけど」
絶対ではなく可能というのだ。
「牛とかすっぽんでもええしな」
「何でもええんか」
「こっちの世界のバンパイア族はな」
「つまり血を栄養に出来る人間やな」
「その通りや、そやから別に偏見もなくな」
「この世界では他の種族と一緒に生活出来てるか」
このことはオークにしろコボルトにしろそうだ、コボルトは小柄な犬人だと考えられていてゴブリンは小柄な鬼とされている。
「成程な」
「そのことも覚えておくとええわ、ただな」
「戦ではやな」
「こうしたそれぞれの種族の属性は覚えておくことや」
鵺が言いたいのはこのことだった。
「ええな」
「わかった、ほなな」
「奇襲を仕掛けるにしてもや」
夜、その時にだ。
「頭に入れておいてや」
「そうしてやな」
「攻めるこっちゃ、隠れるのもな」
その時もというのだ。
「よおな」
「隠れてやな」
「攻めるんや」
「わかったわ、そうするわ」
中里は鵺に対してあらためて答えた。
「それやったらな」
「やるで」
「ああ、あと難波との連絡はこれやな」
中里は今度は貝殻を出した、赤い巻貝のものだ。
「これで離れてても話が出来るな」
「ああ、あっちの兄ちゃんともな」
「そやな、ほなええわ」
中里も話を聞いて納得した。
「この魔法の道具も使うわ」
「使えるものは何でも使わんとな」
「そういうことやな」
「それでや」
鵺は中里にあらためて言った。
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