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夢幻水滸伝

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第六話 飛将その九

「まあ所詮は烏合の衆や」
「暴れるだけでか」
「略奪とかは知っててもや」
「戦は知らんか」
「そういうこっちゃ」
 まさにという返事だった。
「ならず者はならず者や」
「そういうことやな」
「そやからやこうした見え見えの誘いにも乗る」
 そうだというのだ。
「兵法も何も知らんねん」
「そやからここまで乗るか」
「ああ、それでやけどな」
「ここからやな」
「難波の兄ちゃんはもうあっちに行ってるやろな」
「赤兎馬やからな」
 三国志からの知識でだ、中里は話した。
「しかも空も飛んで海の上も進めるんやろ」
「そうやからな」
「もう一気に進んでやな」
「あっちに行ってるやろ」
「それやったらな」
「後はな」
「手筈通りやな」
 中里は目を鋭くさせて応えた。
「進めるんやな」
「明日の夜やろ」
「ああ、あいつがあっちで一仕事してな」
「それからやな」
「こっちの手筈を整えてや」
「夜にやったるか」
 鵺にだ、中里は強い声でまた応えた。
「一気に」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「この世界は夜でも油断したらあかん」
 鵺は中里に彼自身も強い声で応えた。
「見える種族がおる」
「ああ、種族によって身体の特徴があるんやったな」
 中里も言われてこのことを思い出した。
「猫人とかバンパイアとかオークとかはやな」
「夜でも見えるんや」
「昼みたいにやな」
「そや、色もわかるしな」
「猫は本来色はわからんって聞いたけれどな」
 人間と猿以外の哺乳類はそうである、このことは哺乳類の特徴の一つだ。
「進化したんやな」
「どの種族も色がわかるで」
 この世界の人間、ヒューマノイド達はというのだ。
「バンパイア族でも昼動けるしな」
「というかバンパイア、吸血鬼って昼動けるやろ」
「何や、自分も知ってるんやな」
「小説で普通に動いてたで」
 中里が読んだ小説はカーミラだ、吸血鬼ものの古典的名作であり美少女の血を吸う妖艶な吸血鬼が主人公である。
「昼でも、あとバンパイアも色々な種類があって」
「そっちの世界ではやな」
「世界中におってな」
 ルーマニア等東欧だけではないのだ、吸血鬼がいるのは。 
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