八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八話 プールサイドからその十七
「これからは控えようかな」
「お酒も考えていかないといけないのね」
「飲む種類は」
「さもないと身体を壊す」
「そうなるのね」
「そうなんだよね、寒い場所ならね」
そのロシアだ。
「ウォッカもあるけれど」
「飲む種類は考える」
「そうしていかないといけないわね」
「やっぱりね」
「身体の為には」
「そうなるね、好きなだけ飲めたら」
文字通り酒池肉林のレベルでだ。
「嬉しいけれど」
「そうもいかないわね」
「現実はね」
「うん、お金があっても健康のことを考えると」
普通は考える、酒好きの親父にしてもあれでワインや焼酎がメインで自分の適量は弁えてはいる。この辺りは医者だけはあるということか。
「そうはいかないね」
「確かにね」
「そこまではね」
「そうね、じゃあ今は一本開けて」
「フォンデュも食べて」
「デザートのフルーツも食べて」
「午後だね」
午後の遊びを楽しもうとだ、僕は二人に笑顔で言った。とはいってもだ。
「僕は午後のお風呂は無理だけれどね」
「いや、お風呂は入られるでしょ」
「普通に」
「だから二人とは一緒にだよ」
笑ってこのことを否定した、ワイングラスで飲んでいるけれど何か飲み方はじっくりと楽しまずごくごくとしたものだった。このことは三人共だった。
「入られないから」
「ああ、女風呂ね」
「そっちにはっていうのね」
「そういえばそうね」
「そこは仕方ないわね」
「うん、お風呂はね」
混浴なんてものはない、何でも江戸時代は普通だったらしいが。それを松平定信が禁止して顰蹙を買ったらしい。
「無理だよ」
「日本ではね」
「ないわね」
「だからね、午後はどうしようかな」
僕は結構真剣に考えた。
「実際」
「そこが問題なのね」
「ちょっと」
「うん、どうしようかな」
このことを考えるのだった、今は一緒にいるけれどもう少ししたら別れる二人を前にして。些細なことだけれど今の僕には重要なことだった。
第百八話 完
2016・9・18
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