八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八話 プールサイドからその十三
「デザートだけれど」
「デザートね」
「フォンデュの後は」
「そう、それも食べるけれど」
「具体的に何を食べるか」
「そのことも問題ね」
「うん、何を食べるか」
その話もした。
「ケーキとかね」
「チーズケーキとか」
ケーキと聞いてだ、テレサさんはこのケーキの名前を出した。
「それとか」
「今私達チーズ食べてるわよ」
そのテレサさんにイタワッチさんが実にダイレクトな突っ込みを入れた。
「フォンデュがそれじゃない」
「チーズにチーズね」
「それはちょっと被り過ぎでしょ」
「それもそうね」
「ヨーグルトとか」
「ヨーグルトも乳製品よ」
それはそれでとだ、今度はテレサさんが突っ込みを入れた。
「チーズと同じ」
「あっ、それもそうね」
「それを言ったらバターもだけれど」
「欧州は乳製品多いわね」
「それはそうね」
「じゃあデザートは何がいいかしら」
「ちょっと考えるわね」
二人はそのフォンデュを食べつつ話をした。
「今はチーズでいいけれど」
「デザートは」
「フルーツかな」
僕は二人の会話を聞きつつぽつりと言った。
「それだと」
「フルーツ?」
「オレンジとか林檎とか」
「それにする?」
「それじゃあ」
「うん、ビタミン補給も兼ねてね」
そのうえでとだ、僕は二人に提案した。
「どうかな」
「そうね、ビタミンも必要だし」
「それならね」
「フルーツいいわね、デザートに」
「そうよね」
「そういうことでね、まあ今はね」
自分で入れたグラスの赤ワインを飲みつつだ、僕は話した。
「フォンデュを食べて」
「ワインも飲んで」
「最後はフルーツね」
「そうしようね、それにしても今は」
このハウステンボスではだ、僕が思ったことは。
「僕ワインやたら飲んでるよ」
「そうよね」
「何かとね」
「飲むお酒はワインよね」
「私達にしても」
「蒸留酒飲んでる娘達もいるけれど」
昨日のジューンさんや水蓮さん達だ、僕はこの娘達のことも思い出した。
「そっちもウイスキーとかだから」
「あっちのお酒ね」
「欧州の」
「そうだね、江田島の時は日本酒ばかりで」
今思うと皆夜は海の幸とそのお酒で酒池肉林だった、肉林というのは本来は干し肉を木々に吊るしていたということだけれど僕達は海の幸でのそれだった。
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