夢幻水滸伝
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第六話 飛将その二
「ここはな」
「逆手に取るんやな」
「相手はその二つから絶対に勝てるて思うてる、しかもこっちのことは知らん」
「この勢力のことはか」
「そや、物見とかもな」
まさにというのだ。
「出してないのもわかってる」
「自分達はわかってるつもりでこっちのことは知らん」
「これだけでちゃうか」
「それでや、まずは乗せたるで」
そのならず者達をというのだ。
「連中をな」
「よし、そのやり方見せてもらおうか」
「ああ、それで自分もな」
「わかってるわ」
難波は笑って答えた。
「やったるで」
「そうしてくれるか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「僕の方天戟の威力は凄いからな」
両手に一本ずつ持っているそれはというのだ。
「周りに誰もおらん方がええ」
「味方も巻き込むからか」
「神具はそこを注意せなあかん」
攻撃の際味方も巻き込んでしまうことがあるというのだ。
「それでや」
「味方の将兵は傍におるなか」
「僕も味方を巻き込むつもりはない」
難波はその丸い目のまま言った。
「一時的な味方にしてもな」
「それ言うたら僕もやな」
「言うけど自分神具は他の神具と強さの桁がちゃうで」
「神星やからか」
「そや、僕の攻撃力は自分と同じ位やけどな」
「それでも神星が使う神具はか」
「まさに戦略兵器や」
そこまでの強さだというのだ。
「そやからか」
「僕も戦の際はか」
「味方を巻き込まん様にすることや」
「それが大事か」
「そや、味方巻き込んでまで戦に勝ちたいなら別やけどな」
「そうした考えはないわ」
中里もそこは断りを入れた。
「僕にもな」
「それやったらわかるやろ」
「ああ、味方を巻き込まん様にやな」
「そうして戦う様にするんや」
神具を使うならばというのだ。
「ええな、神具は強いけどや」
「強過ぎるんやな」
「簡単に言うとそうや」
「強過ぎる兵器は使い方に気をつけなあかん」
「そういうこっちゃ、わかったな」
「よくな」
中里は難波の言葉に確かな顔で頷いた。
「そうするわ」
「そういうこっちゃ、それでや」
「ああ、そのうえでやな」
「戦をするんや、僕等は一騎当千いや下手したら一騎当万や」
そこまでの力があるというのだ。
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