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夢幻水滸伝

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第四話 夢と現実その九

「そやろ」
「はい、そうです」
「むしろそうしたことをする連中を容赦していません」
「姫巫女さんもそこは徹底してます」
 綾乃もというのだ。
「わし等もそうしたことはしません」
「そこは安心して下さい」
「そやったらええわ、そうした連中は僕も許せん」
 毅然としてだ、中里は言った。
「僕自身で切ることもあるで」
「わかりました」
「若しわし等が罪を犯したらですな」
「その時は」
「こうしたことはしっかりせなな」
 軍規、これのことはというのだ。
「やっぱり」
「その通りですわ」
「うちはそうしたことはほんましっかりしてます」
「一銭切りとまで言われてます」
「厳しくしてます」
「それがええわ、そうした軍勢程強いし」
 軍規が厳しい軍の方がというのだ。
「それでええわ」
「大体他の勢力もですけど」
「軍規はしっかりしてます」
「民いは大事にしてますか」
「日本だけやなくて他の国でもそうみたいです」
「どの星の奴もしっかりしてるんやな」
 その話を聞いてだ、中里は確かな顔で頷いた。
「政治は」
「はい、少なくとも太平洋はそうです」
「何かロシアはめっちゃ怖いみたいですけど」
「ならず者とか容赦なくシベリア送りとか人間の盾にするとか」
「鬼みたいなことしてるみたいです」
「スターリンみたいやな」
 思わずだ、中里はこの独裁者の名前を出した。
「それかイワン雷帝か」
「そっちの人ですよね」
「とりあえず怖いのはわかります」
「けどそんなんするのはロシア位ですさかい」
「インドも凄い人が君臨してるっていうてますけど」
「ロシアにインドか」
 この二国と聞いてだ、中里は今度はこう言った。
「どっちも個性強い国やな」
「神星でも三極星の人がそれぞれおるらしいです」
「そのどっちもめっちゃ怖いそうです」
「それでどっちもそんな統治らしいですわ」
「鬼みたいな」
「そうか、三極星っていうと綾乃ちゃんかてそうやけど」 
 中里はここで彼女のことを思い出した、その温和な笑顔もだ。
「綾乃ちゃんは優しいで」
「同じ三極星でもですね」
「姫巫女さんはちゃいますね」
「統治も優しいし穏やかで」
「人間の盾とかしませんし」
「というかそんなんするって確かにあるけど」 
 こうした話が歴史にあることは中里も知っている、モンゴル帝国のそれにナチスやソ連の懲罰大隊等である。 
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