夢幻水滸伝
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第四話 夢と現実その十
「まあ普通はせんな」
「あと逃げようとしたら背中から斬ったり撃ってくるとか」
「そんなんもしてます」
「ロシアの星の奴ってある意味凄いな」
ここまで聞いてだ、中里はあらためて思った。
「それでしかもよお治まってるんやな」
「平和で国も豊かになっていってるみたいです」
「その統治が成功してて」
「民もええ感じになってるみたいです」
「あそこはそうした国やさかいな」
ロシア、この国はというのだ。
「そうしたえげつない人でこそや」
「ええ感じに治まるんですか」
「そうした国ですか」
「そや、まあロシアはロシアや」
あくまでというのだ。
「けど太平洋は何処もこんなんか」
「普通に何処も善政みたいです」
「ええ星の人ばかりで」
「特に神星の人がしっかりしてて」
「うちみたいだそうです」
「そうか、うちだけやないんやな」
しみじみとしてだ、中里はあらためて言った。
「政がしっかりしてるのは」
「お陰でわし等よろしゅうやってます」
「これまであちこちで争いばっかりでしたけど」
「星の方々が来てから変わりました」
「ええ感じになってます」
「そやねんな、まあ政はええに限る」
それならばというのだ。
「そういうこっちゃな」
「ほんまそうですな」
「わし等も暮らしがよくなりますし」
「おかみがしっかりしててええことしてくれたら助かります」
「暮らしもよくなって」
「そういうことっちゃな、ほなもっと暮らしをよくしてそうした人達を増やす為にも」
西を見据えてだ、そして言った。
「出雲まで行くで」
「今からですな」
「出陣ですな」
「ああ、向かう先におる連中には降る様に進めていくんや」
是非にとだ、このことを言うのも忘れずに。
中里は鳥取城にいる軍勢に出陣を命じた、彼は自ら一万二千の兵を率いて城を出た。彼は本軍を率いそこから軍全体を率いていたが。
そこでだ、乗っている鵺に言われた。
「先陣やないのが不満みたいやな」
「ああ、けどな」
「そや、自分はこの軍の大将や」
「大将は先陣はせんな」
「軍全体を動かすからな」
「先陣におるやな」
「それがしにくい」
場所的にというのだ。
「そやから普通大将は先陣にはならん」
「そういうことやな」
「他の人が軍勢全体を率いるんなら別やが」
「その場合は僕が先陣の場合もあるな」
「ああ、六将星やしな」
極めて武力の強い星達のうちの一人だからだというのだ。
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