転生とらぶる
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ガンダムW
1656話
凛と綾子に今回の件を相談してから数時間後……善は急げという事で、俺の姿は既にD-120コロニーにはなかった。
現在俺がいるのは、OZが占拠しているコロニー……からそれなりに離れた場所。
勿論、それなりではあってもコロニー側からは観測出来る範囲だ。
ここまでの転移にもD-120コロニーから離れた場所まで生身で移動して、小惑星―――トーラスの生産施設ではない場所――の陰でニーズヘッグを取り出し、システムXNで転移した。
……毎回こっちに来るのも面倒だし、W世界では転移反応を察知出来る筈もないんだから、D-120コロニーの中に機体が1機だけ、それもMSよりも小型のニーズヘッグが入る部屋……というか、格納庫か? そんな場所を用意して貰いたいところだな。
ちなみにニーズヘッグに乗った時、念の為にホワイトスターと連絡が取れるかどうかを試したのだが、当然のように無理だった。
そんな訳で、小惑星の近くに転移が完了し、現在はニーズヘッグの収納を終えるとそのまま生身で宇宙空間を漂っていた。
「そろそろいいか?」
OZのコロニーからは大分離れた場所で止まり、呟く。
……空気とかないのに普通に喋る事が出来ているのは何でなんだろうな。
まぁ、普通に考えて魔力とかが関係してるんだろうけど。
そもそも混沌精霊の俺に常識を押しつけられても困る。
そんな訳で……宇宙空間に漂う俺は、全ての準備を終えると事態を進行させるべく空間倉庫のリストからサラマンダーを選ぶ。
……別にバルジからでも良かったんだけど、一応念の為に。
久しぶりに見るサラマンダーは、ファイターのままそこにあった。
それを見ながら、次は本当に今回のメインのバルジを選択……次の瞬間、バルジの巨体が宇宙空間に現れた。
同時に、宇宙空間を漂う身体全体を白炎へと変え、そこから次々に炎獣を生み出していく。
獅子、狼、鳥、象、サイ、ワニといった動物風のものから、ペガサス、ユニコーン、ドラゴンといった風にファンタジー風の代物まで。
白炎の名前通りに白い炎で生み出された……いや、生み出され続けている炎獣は次から次に……それこそ無数に生み出されつづけていく。
その数は数百匹、数千匹……やがて万にすら届いた。
バルジの周囲を飛び回る必要があるのだから、やはりこのくらいの数は必要だろう。 そうして十分な数を確認すると、自分の身体を白炎から普通の肉体に戻す。
次に向かうのは、当然用意してあったサラマンダー。
コックピットに乗り込むと機体を起動させていき、NジャマーⅡを起動させる。
NジャマーⅡの起動を確認すると、取りあえずこれでOZを含めて通信による遠隔操作の類は封じる事が出来た。
バルジに限界まで近付けば、もしかしたらNジャマーⅡの効果から抜け出せるかもしれないが……その場合、炎獣により近付いてきたMSそのものが被害を受けるだろう。
俺の身体を構成する白炎の温度は、それこそMSの装甲を溶けさせる程度の熱量を有している。
まぁ、ここが地球なら多少装甲が溶かされても問題はないんだろうが、生憎とここは宇宙だ。それこそ、装甲が少しでも溶けたら命に直結する。
……もっとも、これが地球であっても動いている途中のMSの装甲が溶けたりすれば、色々と危険なのは間違いない。
それこそ、エアリーズのように空を飛ぶMSであったり水中用MSであれば宇宙と同じく命に直結するのは間違いないのだが。
「さて、後はどれくらいでOZがバルジを発見するかだな」
一応この場所はOZのコロニーからはそう離れていないのだが、それでもコロニーのすぐ隣って訳じゃない。
出来ればOZのコロニーの隣にそのままバルジを出したかったんだが、それだとちょっとあからさま過ぎて、怪しむ奴が出て来てもおかしくはない。
いや、この場所もコロニーの近くであるのは変わらないんだから、怪しむには十分なんだけどな。
それにコロニーの側だとバルジが出た瞬間に何らかの遠隔操作をされる可能性が捨てきれない。
バルジを出して、警戒の為に炎獣を生み出し、サラマンダーを取り出して起動させ、NジャマーⅡを起動させる……なんて手順を踏んだ場合、間に合わない可能性もある。
そう考えれば、やっぱりここがベストの選択肢だったのは間違いないんだよな。
サラマンダーに乗りながら、バルジの周囲をゆっくりと飛ぶ。
……どちらかと言えば飛ぶと言うよりも浮かぶと表現した方がいいような速度で移動する事、約20分。
凛や綾子はどうしてるだろうという思いがあるが、ゲートがない以上シャドウミラーの通信機は使えない。
そんな訳で俺が今やるべきなのは、ただこうして黙って浮かんでいるだけだった。
コロニーの方にそろそろ動きがあってもいいんだが……そんな俺の思いが通じたのか、やがてコロニーの方からこっちに出撃してきた何かがサラマンダーの映像モニタに映し出される。
それを拡大してみれば、やはりと言うか予想通り複数のトーラスが乗ったトーラスクルーザーだ。
茸や傘に似ている特徴的なその姿は、トーラスクルーザー以外の何ものでもない。
そしてトーラスクルーザーが来たという事は、間違いなくMDと……そしてMDを指揮する有人機がいるのは間違いない。
トーラスクルーザーの数は10機。
トーラスクルーザー1機につき、最大3台のトーラスが運搬可能だと考えれば、合計30機ものトーラスがこちらに向かっている事になる。
30機? と考えてみれば少なくも感じられるが、そもそもこの近くにあるコロニーにあるOZの基地そのものはそこまで大きなものではない。
しかもここ最近は一種の膠着状態ではあったが、それでも小競り合い類は行われていた。
そして凛から、このコロニーから出撃したと思われる部隊は、つい最近3度程連合宇宙軍の部隊とぶつかったという事を教えてくれた。
……そう、連合軍のMD運用部隊と。
オペレーション・デイブレイク前……いや、始まった後であっても、OZがMDを運用する前であれば、連合軍とOZがぶつかっても連合軍の被害が大きくなっただろう。
だが、OZがMDを運用し、連合軍もトーラスの生産施設を入手してOZと同様にMDを使えるようになった。
つまりこれは、以前までであれば決定的なまでにあった、OZと連合宇宙軍のパイロットの操縦技量がなくなったという事を意味している。
個としての戦力が拮抗しているのであれば、次は量の問題になる。
そして量という意味では、連合軍はOZよりも上だ。
……勿論そこに色々と改良したりして、MDの性能を上げるとかすれば話は別なのだが。
それこそ、原作でドロシーがやっていたようにゼロシステムでMDを制御するとか。
だが、生憎と今のこのW世界にはまだゼロシステムが存在しない。
設計図の類はあるのかもしれないが……
そんな訳で、戦力の回復という意味で連合軍に劣っているOZは、当然のように戦力不足に陥っている。……もしくはいずれ陥る。
そんな状況でバルジに30機ものトーラスを向けてきたのは、寧ろ驚きだった。
まぁ、バルジがあれば今のこの状況も一気に覆す事が出来るのだから、多少の無理は当然なのかもしれないが。
ともあれ……そのなけなしの戦力の多くは、ここで消滅させて貰うとしよう。
トーラスクルーザーがバルジに近付いてきて……やがて、その動きを止める。
恐らく宇宙空間を自由自在に飛び回り、走り回っている炎獣を見つけたのだろう。
向こうがどれ程混乱しているのかというのは、容易に想像出来る。
MSとかMDとかそういう風にやっているのに、ここに至っていきなりファンタジー要素だからな。
MDはAI制御だけにその辺は気にしないだろうが、そのMDを制御している有人機の方は話が別だ。
こうして炎獣という存在を相手に、どう判断するのか……
バルジを奪った未知の勢力の兵器と認識するのが一番手っ取り早いか?
だが、このW世界に炎を……それも白炎のように白い炎を獣やらファンタジーに出てくるモンスターの形にして自由に操るような兵器など存在する筈がない。
である以上、OZにとってこのバルジは完全に未知の勢力の支配下に置かれているという事を考えているだろう。
また、MDに炎獣を攻撃させるにしても、炎獣という存在自体が想定されていない以上、どうしようもない。
MSや個人で攻撃してるような相手であれば、それこそ前もって攻撃対象を設定する事も可能だろう。
だが、今回は炎獣が相手だ。
それこそ、一度炎獣が攻撃すれば攻撃対象として認識はするだろうが、炎獣は幾つもの……それこそ無数の形態を持つ。
獅子、狼、犬、鳥、猫……それどころかファンタジー系のモンスターのような姿の炎獣もいるのだ。
形で敵対している相手を判断するのであれば、MDはかなりの被害を負う事になる。
更に戦闘を厄介にしているのが、NジャマーⅡだ。
通信が妨害されている以上、有人機がMDに指示をだそうとしても意味がない。
そうなると、MDは最初に下された指示を延々とこなす事になる。
さて……どう動く?
向こうの出方をサラマンダーの中で見守っていた俺だったが、やがて向こうも意を決したのかバルジに向かって進み始める。
トーラスクルーザーから出撃した……というか、露天状態なんだから離れたという表現の方が正しいのか? ともあれ、そのトーラスがバルジに向かって進み始める。
3機のトーラスのみがトーラスクルーザーの側で待機しているのは、それが有人機だからだろう。
炎獣の様子を見て、それで動き出そうと考えているのか。
恐らくコロニーに対して通信を送っているのだろうが、それはNジャマーⅡの効果範囲外での出来事だ。
NジャマーⅡは通信を妨害出来る範囲をこちらで設定可能なのだが、今回は地球圏の戦闘を膠着状態に持っていくのが目的だ。
そうである以上、ここにバルジが姿を現し……更には炎獣などという存在がいるというのを、他のコロニーやOZの司令部に知らせる為の通信を邪魔するわけにはいかない。
「行け」
その言葉と共に、炎獣は自分達に向かって突っ込んできたトーラスに殺到する。
炎獣だけに、その速度はMSに劣る。
劣るが……MDのAIは最初に炎獣をどう判断したらいいのか迷ったのか、攻撃を躊躇う。
その隙に炎獣は真っ直ぐMDに向かって突進していく。
最初に攻撃を仕掛けたのは、獅子の炎獣。
振るう爪の一撃は、容易くトーラスの装甲を融解させる。
トーラスカノンを手にしていた腕をあっさりと破壊され……それを見て、他のMDのAIは獅子の炎獣を敵と判断したのだろう。
機体を動かし、トーラスカノンのビームがバルジに命中しないように位置を調整すると、そのビーム砲が……ガンダニュウム合金すら破壊するだけの威力を持つビーム砲が、放たれる。
当然そのビーム砲は獅子の炎獣に回避させるような隙もなく命中するが……ビームが消えた後、そこに残っているのは当然のように佇む獅子の炎獣だった。
トーラスカノンのビームを正面から食らったのに、消滅する様子は全くない。
……当然だろう。炎獣というのは、混沌精霊である俺の身体を形成する白炎から生み出された存在だ。
物理防御力や魔法防御は俺程ではないが、それなりに高い。
少なくてもトーラスカノンだけでは……ああ、でも外見だけを見るとそうダメージがないように思えるけど、実際にはかなりダメージを受けてるな。
ぱっと見、HPや生命力的な意味では半分以下になっている。
これはトーラスカノンの攻撃力が俺の予想を超えていたと見るべきか、それとも炎獣の防御力が俺の予想よりも下回っていたと見るべきか。
ともあれ、それでもトーラスカノンの一撃で死なずに済んだというのは俺にとっても嬉しい出来事だった。
獅子の炎獣はそのまま自分に向かって攻撃をしてきたトーラスに向かって突っ込んでいく。
移動速度という一点においては、炎獣はMSに及ばない。
再び放たれるトーラスカノン……それも放ったのは複数のMDで、トーラスカノンの集中攻撃を食らった炎獣は、やがてその光と共に消えていった……が、次の瞬間、獅子の炎獣を攻撃したトーラスが次々に破壊されていく。
それを行ったのは、まだ敵と認識されていなかった無数の鳥の炎獣。
雀程度の大きさの鳥だったが、それでも白炎で出来ている以上、トーラスを破壊するのに十分な能力を持つ。
そして様々な場所から一斉に襲いかかった鳥の炎獣が……そしてまだ残っていた炎獣の攻撃により、やがてMDはその全機が全滅する。
代償として炎獣もトーラスカノンでかなりの数が消滅したが……バルジの陰に隠れている俺は、サラマンダーのコックピットを開け、再び宇宙に出ると身体を白炎にして、炎獣の補充をするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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