転生とらぶる
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ガンダムW
1657話
トーラスは、MDではあってもその動きはあくまでもMSを……そして人間や自動的に自分達に迫ってくるような機雷の類を想定してプログラムを組まれている。
炎獣のような存在は到底想定されていないだろうし、トーラス唯一にして最大の武器、トーラスカノンを撃っても一発で消滅させる事は出来ない。
トーラスカノンのビームを真っ正面から受け止め、その後ビームを突き抜けるようにしてトーラスカノンの砲口の中に突っ込んで行き、その結果としてトーラスカノンが破壊され、続いてトーラスその物も破壊される……などという光景が何度も目に入ってきた。
更に悲惨だったのは、恐らくここに派遣されたトーラスはこの近くにあるコロニーの中にある戦力の中でもかなりの割合を占め……下手をしたら全戦力の可能性すらある。
当然OZ側も何かあれば戦力を温存する意味でも、トーラスはすぐに撤退させようと考えていてもおかしくはない。おかしくはないんだが……運が悪い事に、このコロニー周辺はNジャマーⅡにより通信はまともに使えない状況になっている。
有人機のトーラスがいるのはNジャマーⅡの範囲外に設定しているが、MDの方はNジャマーⅡの効果範囲内に思い切り入っている。
結果として、MDに出した指示を撤回させる事も出来ないまま、有人機は無意味に目の前でMDが破壊されていく光景を黙って見ているしかなかった訳だ。
そして最終的にはバルジの様子を探る為にやってきたMDは全滅し……残っていた有人機は慌てたようにコロニーに戻っていく。
取りあえずこれでこのコロニーの側にバルジが姿を現したというのははっきりとした筈だ。
後は、あの撤退していった奴がどれだけで情報を周囲に知らせるか……それとバートン財団や連合軍にもこの情報がどうやって広まるのかを待つだけだな。
連合軍も当然のようにOZやバートン財団については情報を集めているのだろうから、バルジが姿を現したのはそう遠くない内に広まるだろう。
ただ、問題なのはOZやバートン財団はともかく、連合軍が来た時にどうやって対応するかなんだよな。
OZやバートン財団の兵士であれば、こちらとしても撃破するのに躊躇いはない。
だが、仮にも今の俺は連合軍に雇われている状況だ。
そんな中で連合軍の兵士を殺してしまうのは、色々と面倒な事が起きるのは間違いない。
特にホワイトスターの方のシャドウミラーがこのW世界にやって来る事が出来るようになった場合、当然のように俺の能力は大々的にお披露目する事になる筈だ。
そうなれば当然バルジについて……あるいは炎獣、サラマンダーについても知られる事があるだろう。
そうなれば、俺が今この時、連合軍に雇われていた状況でやっていた事も明らかになる。
だとすれば、下手にここで連合軍のパイロットを殺してしまった場合、連合軍との友好関係を望むのが難しくなってしまう。
そうならない為には、やっぱり炎獣で連合軍のMSを撃破したりはしない方がいいんだが……かと言って、ここであからさまに連合軍に対して手加減をすれば、それこそOZがそこに目を付ける。
実際にどう思っているのかはともかく、今でもOZは公式的にはバルジが消滅したのは連合軍が何らかの兵器を使ったからという態度を隠してはいない。
勿論、OZもそれが色々と無理のある話だというのは分かっているのだろう。
それでもOZにとって、連合軍の評判を少しでも落とし、自分達の評判や士気を少しでも上げる為には、その無理を通すしかない。
そして今のOZには、連合軍に押され気味であっても一定以上の力を持っているのは事実だ。
だからこそ、そんな風に無茶な事であっても強弁出来ていたのだが……これで炎獣が連合軍のパイロットを殺さないという態度を見せれば、向こうにとって格好の口撃材料となりかねない。
そうならない為には、やはり連合軍に被害を出さない事がベストだろう。
もっとも、OZのMDが一方的に全滅したという情報は当然連合軍も入手する筈であり、それを知って連合軍がバルジに実際に戦力を派遣してくるかと言われれば……微妙なところだろう。
現状で連合軍にとってMDというのは現状のMS戦力の根幹を成す存在だ。
そのMDが一方的にやられ、更には通信障害のせいでいざという時に指示の変更と類も出来ないとなれば、それは戦力の無駄遣いでしかない。
ただでさえ連合軍のMDは数が少ない。
俺達が占領した、小惑星の内部にあるトーラスの生産工場。
それが現在唯一であり、その規模はそれなりだが、結局のところそれ1つしかないのは変わらない。
であれば、連合軍がトーラスを無駄に消耗させると分かりきっているような真似をするのかと言えば……答えは否だ。
寧ろ最大の難点は、やはりシャドウミラーだろう。
MDでこのバルジを調査なり奪取なり出来ないと知れば、連合軍は当然のようにシャドウミラーに出撃を要請する。
これまでシャドウミラーが受けてきた依頼は全て成功させているのだから、その信頼感は高い。
……まぁ、X-18999コロニーでバートン財団のデキムを捕らえるというのは失敗したが、あれはそもそも俺達がコロニーに到着した時には既にデキムがもうX-18999コロニーの中にいなかったしな。
ともあれ、現在厄介になっている連合宇宙軍のセプテムにとって、俺達シャドウミラーというのは切り札に等しい。
だからこそ、こういう未知の存在がある場合はシャドウミラーに出撃を要請してくるんだろうが……その辺は凛の口の上手さに期待するしかないか。
……ん?
サラマンダーに乗りながらぼーっとしていると、再びバルジに近付いてくる存在が映像モニタに映し出される。
早いな。まだMDが破壊されてからそう時間は経ってない。
なのにまた戦力を派遣……と思ったら、近付いてくるのはシャトル。
それも護衛もなしの1隻だけだ。
あの状態で何をしに来たかと一瞬疑問に思ったが、北風と太陽的な感じか?
MDでぶつかったら負けてしまったから、今度は懐柔策に出ようとしたらしい。
まぁ、それはあくまでも俺の予想の範囲というだけであって、実際には生身で強力な戦闘力を持っている人員を派遣してきたという可能性もなきにしもあらずだが。
だが、もしそうであってもその作戦には致命的な欠点がある。
即ち……NジャマーⅡが起動している間は、どうやっても向こう側からはこっちに通信を送ってこれないという事だ。
実際、シャトルもバルジからかなり離れた位置……トーラスの有人機が待機していた場所付近で動きを止め、それから一切身動きはしていない。
恐らくバルジに通信を送ってるんだろうが、NジャマーⅡのおかげでこっちに通信は届いていないんだろう。
そのまま一時間程その場に待機していたシャトルだったが、それ以上はいても意味がないと判断したのだろう。
やがてそのままコロニーに向かって去っていった。
それを見送りながら、俺は本当に今はやるべき事がないので空間倉庫の中から取りだした漫画を読みながら時間を潰す。
今まで買い溜めしてあった漫画や小説の類は、かなりの量がある。
勿論ある程度纏めて買い溜めしているものなので、中にはつまらないものがある。
だが、その手の漫画は取りあえず適当に空間倉庫の中に戻しておけばいい。
後で適当にキブツにでも放り込めばいいのだから。
……キブツ、か。そろそろホワイトスターと連絡を取りたいんだけどな。
時間の流れが違っても、それが具体的にはどのくらいの時差なのかは全くの不明なのだから。
そんな風に過ごし……少し小腹が減ったと思えば空間倉庫の中から適当に何かを取りだして食べる。
ただし、この場合散らばるようなものは駄目だ。
一口で一気に食べられる程度のものでなければ、そのような食べ滓がコックピットの中を漂い、隙間に入ったりする為だ。
特に今は技術班に頼る事が出来ない以上、もし何かあったら修理のしようがない。
老師OやプロフェッサーG、ハワード辺りに頼めば修理してくれるかもしれないが……あの連中なら、サラマンダーを見ればその時点で普通の機体ではないというのは容易に理解してしまうだろう。
トールギス何かと違って、このW世界のMSとは全く違う技術系等の機体だ。
絶対にどこから入手したのかという事をしつこく追及されるのは間違いなかった。
ともあれ、そんな風に時間を過ごし……たまに寝て、起きて、としながら二日程が経過する。
その間に何度もOZのコロニーからはシャトルやMSがやってきて、バルジの周辺を動き回っていた。
最初の戦いで有人機のMSがいたり、シャトルが待機した場所ではNジャマーⅡの効果範囲外だというのは、向こうも理解しているのだろう。
また、炎獣もバルジの近くにまで寄ってこなければ宇宙空間を飛び回っているだけで、特に攻撃してこないというのも理解したのか、向こうはそのラインを見極め、外からこっちの様子をじっと窺っていた。
それを眺めはしていたんだが、やがて暇になってきたという事もあり、何よりそろそろバルジの件が十分に広まったと判断すると、D-120コロニーに戻る事にする。
……決して凛や綾子との触れ合いが出来なくて寂しくなった訳ではない。
炎獣にバルジの近くにあったデブリを何個か適当に持ってこさせると、そのままサラマンダーと一緒にバルジを空間倉庫に収納する。
現在もバルジの方を見ているOZのシャトルは、いきなりバルジがなくなったことには気が付き、驚いただろう。
その唐突さは、まさに以前バルジが消えた時と同じだったのだから、当然だ。
だが、バルジがあった空間には当然のように炎獣達が集まっており、四方八方を飛び回っていた。
そうなれば、当然のようにOZも近付いてくる事は出来ない。
MDですら炎獣の前にはどうしようもなかったのだから、シャトルで近付いてくる事が出来ないのは当然だろう。
そんな様子を見ながら、俺は隕石に隠れるようにしてその場を移動していく。
当然ながら炎獣は俺から生み出されたものであり、俺の意志に従う存在だ。
つまり、何があろうと炎獣が俺を攻撃するような事はない。
そうしてそのまま炎獣の中を泳ぐようにスペースデブリの岩塊に隠れるように移動していき……やがて十分に離れたというところで、炎獣を消滅させるのだった。
D-120コロニーに戻ってきた俺が見たのは、当然のようにかなりの騒ぎになっている光景。
そこら中で連合軍の軍人が動き回り、騒がしくしている。
そんな基地の中を進み、やがて俺はシャドウミラーに与えられている部屋の一室に到着する。
「アクセル!?」
部屋の中に入ってきた俺の姿を見て、驚きの声を上げたのはデュオだった。
まさに目を見開くというのはこういう事かと言いたくなるような仕草で、俺の方を見ている。
「おう、久しぶり」
「久しぶりじゃねえよ! お前、一体どこに行ってたんだよ!」
「ちょっと野暮用があってな。それより、基地の中がかなり騒がしいようだけど、どうしたんだ?」
自分でもかなりわざとらしいと思えるような問い掛け。
実際、部屋の中にいる綾子はどこか呆れた視線を俺に向けている。
……これで凛も部屋の中にいたら、もっと酷い視線を向けられていただろう。
「バルジだよ、バルジ! あの消滅したバルジが、いきなり姿を現したんだ! アクセルはそれを知らなかったのかよ!?」
「悪いな。こっちはこっちでちょっと忙しかったんだよ」
具体的には、そのバルジの件で。
まさかそんな風に言う訳にはいかず、適当に誤魔化しながらデュオと話を続ける。
それで分かったのは、どうやらバルジの件を知ったのは昨日だという事。
これは……まぁ、情報源がOZのコロニーなんだから仕方がない。
いや、寧ろ情報を得るのが早かったと言ってもいいだろう。
そもそもの話、あのコロニーはOZのコロニーとしても辺鄙な場所にある。
そうである以上、あのコロニーに連合軍からのスパイがいるかどうかも怪しいし……もしいても、情報を送る手段は限定されるだろう。
もしくは、あのコロニーが他のOZの部隊に送った通信を傍受したのか?
どうやって情報を入手したのかは分からないが、それでも連合軍がバルジについて情報を得たのは確からしい。
「で、これからどうするかって事でかなり紛糾してるらしいぜ。なんでも、バルジに近付いたOZの部隊は全滅したって話だし」
そう告げてくるデュオに、俺はなるほどと頷く。
実際には全滅している訳ではないのだが、情報としてはそんなに尾ひれとかが付いてない分正確だと言ってもいいだろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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