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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五話 夜になってその十二

 黄金と白銀の二つの世界に草達も柵も輝いてだ、その中に緑の歯や青い噴水が照らされている。その夜に輝く庭に入ってだ。
 ジューンさんも水蓮さんも夢を見ている顔になってこう言った。
「これはネ」
「凄いあるな」
「ここまでするなんテ」
「最高のセンスある」
「宮殿だけで奇麗なのニ」
「夜はこうして飾るあるか」
「ここはね」
 ハウステンボスはだ。
「夜はこうなるからね」
「この宮殿にしてモ」
「その中の一部あるか」
「そうなんだ、その輝かせ方がね」
 僕も黄金と白銀に照らされた庭の中にいた、他の娘達もだ。
「こうした感じでね」
「芸術ネ」
「まさにそれあるな」
「僕もそう思うよ」
 それこそ心からだ。
「夜の芸術だよ」
「この世のものに思えないでござる」 
 恍惚とさえしてだ、マルヤムさんは言った。
「ここにずっといたくなる位でござる」
「ええ、本当に」
 チェチーリアさんはマルヤムさんの隣で応えた。
「ここは」
「そうでござるな」
「ここにいたら」
 それこそと言うのだった。
「ずっといたくなって離れたくなくなるわ」
「そうした場所でござるな」
「だから」
 それでというのだった。
「もうここにずっといたいけれど」
「けれど、ね」
 日菜子さんがそのチェチーリアさんに笑って言ってきた。
「そうもね」
「いかないわね」
「他にもいい場所があるから」
「だから」
「そう、ここにはずっといられないわ」
「それは残念だけれど」 
 チェチーリアさんは日菜子さんに応えてまた話した。
「他にも奇麗な場所を観られるから」
「いいでしょ」
「そうなるわね」
 こう日菜子さんに言った。
「じゃあ」
「ここの後は」
「他の場所にもね」
「行くのよね」
「はい」
 日菜子さんは僕に話を振ってきて僕も答えた。
「そのつもりです」
「やっぱりそうよね」
「それじゃあ次は」
「何処に行くの?」
「街に行って」
 ハウステンボスの市街地にというのだ、僕達が先程までいた。
「それで、運河を観てもいいですよ」
「運河もなの」
「はい、イルミネーションで飾られて」
 僕は日菜子さんにさらに話した。
「街全体、プールや観覧車や展望台も」
「もう全部なのね」
「はい、輝くんです」
 電気の灯りでだ。 
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