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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十九話 夜の温室その十五

「やっぱり使うし」
「だからだね」
「勉強もしてるわ」
 実際にというのだ。
「それで闘ってるしね」
「それで卍固めもだね」
「やってみようかしら」
「じゃあモンセラさんがしたいならね」
 それならとだ、僕は答えた。
「やってみたらいいよ」
「じゃあそうするわね」
「うん、それじゃあね」
 こうしたことを話してだった、そのうえで。
 モンセラさんはテキーラを読みつつ漫画を読んでいってだった、テキーラを一本奇麗に空にしたところでだった。
 漫画も一冊読み終わってだ、僕に言った。
「今日はね」
「これでだね」
「ええ、終わりよ」
「寝るんだね」
「また明日ね」
 にこりと笑ってだ、僕に言ってきた。
「そういうことでね」
「うん、じゃあまた明日ね」
「明日の部活で早速やってみるわ」
「卍固めをだね」
「やってみるわ」
「そうするんだね」
「果たしてどうなるか、後ね」
 モンセラさんはここで話題を変えてきた、今度の話題はというと。
「そろそろ八条荘の旅行ね」
「近いうちにお盆でね」
「日本の祭日?」
「そんなところだね、お盆にはね」
 僕はモンセラさんに日本の習わしも話した。
「人は実家に帰ることになってるんだ」
「実家に住んでない人は」
「そうしてるんだ」
「そうなの」
「そう、それでね」
 僕はモンセラさんにさらに話した。
「この八条荘でもそうでね」
「あれっ、年末年始だけじゃないの」 
 実家に帰る時にだ、僕に聞いてきた。
「それって」
「いや、お盆でも変えられるよ」
「そうなの」
「ちゃんとね、ただ皆帰らないみたいだけれど」
「そうなの」
「八条荘が居心地いいのかな」
「居心地いいのは事実ね、それに私もメキシコまで帰ると思うと」
 それこそという口調での言葉だった。
「大変だしね」
「帰る為の時間もお金も」
「どっちもね、だから帰るにしてもね」
「年末年始だけ?」
「その時位ね」
「じゃあ今は」
「帰らないわ」
 すぐの返事だった。
「まだね」
「そうなんだね」
「ここに残るわ」
 こうした返事だった。
「実際にね」
「そうするんだ」
「ええ、八条荘の旅行も楽しみにしてるわね」
「それじゃあね」
「今日はこれでね」
「ええ、これでね」
 ここでは二人で笑顔でやり取りが出来た、そしてだった。
 モンセラさんは部屋を出て僕も続いた、そのうえで自分の部屋に入って寝た。今度の旅行のことも考えながら。


第九十九話   完


                            2016・7・9 
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