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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十九話 夜の温室その十四

「華もあるから」
「馬場さんは堅実?」
「そうかな、あの人の試合は」
「大きな身体を使った」
「そのキックとかがね」
 それこそだ、馬場さんの場合は。
「それだけで武器になるから」
「それはわかるけれど」
 ここでモンセラさんは首を傾げさせてこうも言った。
「十六文キックの十六文って何?」
「ああ、あれね」
「どういう意味なの、あれって」
「あれは寸尺なんだ」
「それなの」
「うん、昔は一文二文って尺もあったんだ」
「そうなの」
「今じゃ殆ど使ってないけれど」
 全くと言っていいだろうか。
「当時はね」
「まだ使ってたの」
「そうだったからね」 
 それでだったのだ。
「馬場さんの靴のサイズがそれだけだったからなんだ」
「十六文だったの」
「うん、それで両足のキックはね」
 所謂ドロップキックの場合はだ。
「三十二文だったんだ」
「十六に二をかけて」
「そう、両足だからね」
 それでだった、まさに。
「三十二だったんだ」
「成程ね」
「十六文キックとね」
「三十二文キックね」
「この二つも武器だったんだ」
 馬場さんのだ。
「それと水平チョップね」
「あの技ね」
「あとジャイアントスイングとかジャイアントコブラとかもね」
 馬場さんの技だった。
「ジャンピングバックブリーカードロップもあったね」
「意外と技あったのね」
「そうだよ」 
 友達で馬場さんのファンがいていつも熱く語っている。
「あの人もね」
「動き鈍いんじゃ」
「いやいや、全盛期はね」
 流石にお亡くなりなる直前は違うけれどだ。
「違うかったんだ」
「動きも速かったの」
「そうだったんだ」
 一回映像を見れば実際そうだった。
「これがね」
「それも意外ね」
「そうだったんだ、まあモンセラさんのルチャは」
「スピードよ、特に私はね」
「素早く動いて」
「跳んで舞ってね」
 そしてというのだ。
「闘うのよ」
「そうしたスタイルだね」
「だからね」
「スピード重視だね」
「それで投げとか掴みはあまりないけれど」
 プロレスはこちらがかなり重要だけれどだ。 
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