八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九十八話 蛍光その二
「青も赤もね」
「同じ割合なの」
「歩道のもそうだよ」
こちらは赤と青だけだ、尚英語では青信号ではなくグリーン即ち緑になるのは英語の授業で知ったことだ。
「別にね」
「割合は一緒なの」
「いつも赤になるとかはね」
それこそだ。
「ないから」
「そうなの」
「ダオさんの気のせいじゃないかな」
「ベトナムよりも赤信号多いわ」
「そんな筈がないけれど」
「あと大阪って凄いわね」
ダオさんは僕にこうも言ってきた。
「赤信号でも普通に歩道渡るわね」
「歩道じゃないところもだよね」
「走ってでも渡る人いるけれど」
「あれでもましになったかな」
僕もよく大阪に行くのでわかることだった、大阪は日本の他の地域に比べて今一つ以上に交通ルールは浸透していない。
「あの街は」
「命知らずよね」
「歩く人達はね」
「車に乗ってる人達よりも遥かに」
「大阪の人は待たないんだ」
それこそだ。
「特に歩いていたらね」
「歩くの速いしね」
「そうそう、せっかちだから」
「いつも急いでるの」
「無性にね」
「何でいつもあんなに急いでるの?」
「何でかな」
商売の街だったので時は金なりで時間を無駄にしない為だろうか、けれどそれにしても急ぎ過ぎだとは思う。
「それは」
「わからないのね、義和も」
「ちょっとね、ただね」
「ただ?」
「大阪は確かにそうした街だね」
「歩く人は命知らずなのね」
「交通ルールについてはね」
本当にそうだ。
「もういけると思ったらね」
「歩道でも何処でも渡るのね」
「そう、近くに車があっても」
例えそれが暴走車でもだ。
「渡るよ」
「ベトナムでもそうした人いるけれどね」
「大阪は多いから」
「お年寄りでも平気でそうするから凄いわね」
「大阪はお年寄りもだからね」
本当にそうだから凄い。
「あそこは」
「赤信号お構いなくね」
「ちゃんと守る人はね」
実を言うと車でもそうだ、大阪は。
「少ないよ」
「交通ルールについてはなのね」
「うん、あまりね」
「守らないのね」
「そのことについても日本一かな」
食べものの美味しさや人情や親しみやすさでもそうであるがだ、残念ながらそうしたことにおいてもなのだ。
ページ上へ戻る