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オズのビリーナ

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第十幕その八

「それがね」
「どっちも仲が悪くて」
「両方の話を聞いてもね」
「収め方がわからなかったのね」
「ほら、水と油じゃないか」
 ドワーフ族とエルフ族はというのです。
「まさにね」
「そうね、けれどね」
「けれど?」
「この娘達が言ってたでしょ」
 ナターシャを右の羽根で指し示してお話します。
「お水がお酢なら」
「ドレッシングだね」
「そう考えてね、混ぜたらって思ったのよ」
「お酢と油を混ぜるとドレッシングになってね」
「凄く美味しいでしょ」
「その美味しさからなんだ」
「ふと思ったの、一緒にしてみたらってね」
 カリフ王にお顔を向けてお話しました。
「そうね」
「ドワーフ族の好きなものもエルフ族のそういったものを」
「そうしたら上手くいけたわね」
「その通りだね」
「何よりよ」
 笑顔で言うビリーナでした。
「私達もオズの国の厄介ごとの一つが解決出来て何よりよ」
「いや、本当に有り難う。君は苦手だけれど」
「鶏だからね」
「今回は本当に有り難う」
「お礼はいいわよ、じゃあ私達はね」
「虹色の菫の種をだね」
「採りに行くわ」
 予定通りにというのです。
「そうしてくるわ」
「列車で送るけれど」
「それには及ばないわ」
 トロットが王様の申し出に応じました。
「地下の旅も楽しみたいから」
「それは皆かな」
「皆のお顔を見てくれるかしら」
「あっ、確かに」
 ビリーナやトロット達、それに二匹の猫と五人の子供達を見ると実際にでした。列車よりもとお顔に書いていました。
 その言葉を読み取ってです、カリフ王も頷いて言いました。
「そうだね、じゃあこの申し出は引っ込めるよ」
「そういうことでね」
「ではこれからの道中もね」
「楽しんでくるわね」
 ビリーナはカリフ王に陽気に応えました。
「そうしてくるわね」
「是非ね、あとドワーフ族とエルフ族はね」
「闇エルフもよね」
「これからは仲良くやっていくらしいから」
「だからなのね」
「もう心配はいらないよ」
 このこともです、カリフ王はビリーナにお話しました。
「わしも何よりだよ」
「それは何よりね」
「うん、本当にね」
「では最後にね」
「最後に?」
「旅立つ前にご馳走したいのだけれど」
 ノームのそれをというのです。
「いいかな」
「お言葉に甘えていいのね」
「是非ね」
 こう応えてでした、そのうえで。
 皆はカリフ王からおもてなしを受けました、それから元の道に送ってもらってそこから冒険を再開しました。
 その歩きはじめた中で、です。恵梨香が言いました。
「何か色々あったけれど」
「無事に解決したね」
 カルロスが恵梨香に応えます。
「どちらの人達もわかってくれたし」
「ドワーフ族の人達もエルフ族の人達もね」
「闇エルフの人達だけじゃなかったけれど」
 ジョージはエルフ族の人達全体を見てお話をしました。 
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