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オズのビリーナ

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第十幕その七

「貴女も」
「ではお言葉に甘えて」
 ビリーナはカリフ王に応えてでした、そのうえで。
 ビリーナはひょっこりとテーブルの上に出て来てでした、ドワーフ族の人達にもエルフ族の人達にも言いました。
「私考えたのよ」
「どうしたら我々の対立を解消出来るか」
「そのことをだね」
「それでこうしたパーティーを開いた」
「そうなんだね」
「そうよ、どれが一番いいとかってないのよ」
 それこそというのです。
「どれも素晴らしいの、そしてね」
「それを認めて受け入れること」
「このことが大事なんだね」
「そういうことよ、皆わかってくれたかしら」
「うん、今日のことでね」
「我々もわかったよ」 
 ドワーフの人達もエルフの人達も答えました。
「よくね」
「ジャガイモはどうしても美味しいし」
「他のお料理もそうでね」
「どの服も素晴しい」
「そのことがわかったよ」
「そうよ、玉蜀黍にしてもよ」
 ビリーナの大好物のこれもです。
「ポップコーンもバターコーンも最高に美味しいから」
「つまりどれも美味しい」
「それで楽しめるのね」
「そういうことね」
「それを理解して受け入れるべき」
「何が一番とかそんなことでこだわるなんてね」
 それこそとです、ビリーナはテーブルの上に立ったまま言い切ります。
「小さなことなのよ」
「小さなことは気にせずに」
「大きくあれ」
「だから我々もこだわらずに」
「お互いを認めること」
「どれも食べて着ればいいのよ」
 こうも言ったビリーナでした。
「それで楽しめばいいのよ」
「そういうことだね」
「では我々はこれからそんな小さなことにこだわらず」
「大きく構えて」
「それで付き合っていけばいいんだね」
「そうよ、じゃあこれで問題は解決ね」
 ビリーナは皆が納得したのを見届けて言いました。
「心置きなく虹色の菫の種を採りに行けるわ」
「そうね、オズの国の騒動がまた一つ解決されたわね」
 トロットは自分の前にいるビリーナを見て微笑みました。
「これでね、それじゃあね」
「パーティーの続きを楽しみましょう」
「後は音楽ですが」
 カリフ王はパーティーの次の催しのお話もしました。
「やはりです」
「我々の音楽をですね」
「それぞれ演奏してくれますか」
「はい、一緒に楽しみますと」
 それでというのです。
「わかりますね」
「はい、確かに」
「それがよくわかりました」
「そして音楽も」
「共に楽しむのですね」
「そうしましょう、皆で」
 笑顔でお話してでした、皆はドワーフ族の音楽もエルフ族の音楽も楽しみました。勿論ディナーもその後のお酒もです。
 そのパーティーの後で、です。カリフ王は後片付けも終わってぐっすり休んでドワーフ族の人達もエルフ族の人達もそれぞれのお国に帰ってからです。
 ビリーナ達にお礼を述べてから言うのでした。
「いや、今回は助かったよ」
「私達がいて」
「本当にね」
 満面の笑顔で言います。
「これまでどうしようかってね」
「困っていたのね」
「考えがつかなかったんだ」
「両方の間に挟まれて」
「うん、ドワーフ族は兄弟でエルフ族とも付き合いが深いのに」
 ノーム族はそうなのです。 
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