「学校、変える」
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「学校、変える」ため。
第4話 作戦会議1
前書き
蓮の隣か。
コイツはうるさい。特に、くしゃみと鼻水かむ音。
声もでかいし、いい加減黙れや。
「永井がいないのは・・・ハハハ」
「ちょっと待った!言うなそれ」
「そうだよ、俺たち恥ずかしくなるから」
「真衣達がこんな目に合うとは・・・って感じなんだから」
「いいじゃんか。香奈美だけに言うから。ほかの生徒はそんなこと聞いたって、何にも怒らないだろ?」
「まあそうだけどさ、言うんなら言って。真衣、早くしないと焦っちゃう」
「言うよ。永井だけ成績が良かったんだよ。ひどいっしょ」
「だから違う学校に行ったんだよ」
香奈美は「え?え?」と繰り返し言った。
「3人ともいい成績じゃん。真衣なんて、90点以上しかとったこと無いじゃん。蓮も比呂も、いい成績で落ちるなんて」
「先生が悪い」
「ウチもそう思う」
「あ・い・つ・・・」
「だ、大丈夫?」
「・・・もういや」
このグダグダな3人の様子を見て、香奈美は思いついた。そして、言った。
「学校、変えない?」
「え・・・そ・・そんなことできないよ。だって、先生にまじ怒鳴られるよ」
「でもね、クラスメイトは不良なんでしょ?思う存分変えられるよ」
「いい作戦だけに、いい香奈美」
「う、うるさい。ウチはいつでも本気よ」
というところで、先生が・・・。
「黙れやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「どこ」
比呂が馬鹿らしく言う。
「比呂黙ってーーーーーーーーー」
先生はうるさい。
確かに比呂も馬鹿みたいにしてるけど・・・。
まあいいや。
2時間目が終わり、算数の教科書をパタンと閉じた香奈美。
あ、比呂が寄ってきた。
「作戦会議するか」
「はあ??」
「怖いな、お前が作った作戦と言うかなんというか・・・」
「作戦?」
「ああそうだよ、その、なんというか・・・、そう、ドッジボール!」
「ドッジボールう??はあ?何それ。ウチが考えたっていうの??ふざけないで」
「さーせん(すみません)」
「で、何。学校の名前を変えるやつ?」
すると真衣が震えながら、
「そ、そう・・・、か、会議しよう・・・」
「・・・」
「・・・ね。比呂は置いてって、女子トイレでやろ」
「・・蓮はどうしよっか」
「あ、蓮?一人で考えさせて」
「そうね。行こっ、行こっ」
「まあ、まってえ・・・」
「キモイな比呂。あんた男でしょ、変な悲鳴上げないで」
「そうよそうよ、高橋さんが嫌な顔してそっち向くよ」
「そこまで言わなくても・・・ああ・・・行っちゃった・・・」
そしたら蓮が、
「比呂」
「何・・・・」
「ほんとにキモイよ」
「え」
「本気で」
「まじ・・・か・・・」
「早く起き上がって、作戦会議しないか」
「蓮も言うなよ、同じこと・・・」
「言いたいくらい、キモイから」
「は・・・」
比呂はうなずきながら、起き上がった。
<男子の意見>
「はいはい、で、何?」
「まずは、俺たちが学級委員になるんだな」
「へ?」
「朝礼で前出ても、守ってくれないだろ?だから、永井が通っている学校みたいにするんだ」
「内容知ってるんかよ」
「前な、こっそり行ってみたんだよ」
「で?で?」
「例えば、廊下に出て走ってないか見回りして声をかけたり、警察を呼んだり・・・」
「・・・それ、やりすぎじゃねえか?永井の学校だからって、自分で作ったのも・・あるだろ!」
「これでいいよ、もう」
「まあいいか、よし、決まった。・・・そういえば女子は?」
<女子の意見>
「真衣、いいこと考えた」
「何?」
「男子たちがびっくりしそうな意見」
「何?何?ね、ね。どんなの?」
「各クラスの天井に、防犯カメラを取り付けて、後で永井の学校の校長先生に見せるの」
「へえ、いい考え」
「香奈美は?なんかある?」
「生徒の大事なものをぶっ壊すとか、裏切るとか、んんん・・・分かんねー!なんか、クラスメイトを傷つけているような考えしか浮かばなくて・・・ごめんなさい。真衣の考えでいいかな?」
「そう?ありがと!じゃあこれで賛成ね」
「そういえば男子は?」
<夜>
香奈美は「真間月」という作戦サイトにあの作戦を書いた。
(あの作戦で、本当にいいのかなあ)
香奈美は納得しながら「投稿」のボタンをクリックした。
後書き
<次の日の朝>
「香奈美おはよ~!」
「真衣、おはよう」
「あのねえ、登校中に比呂と蓮が話しかけてきた」
「で?」
「明日から土日でしょ、だから明日作戦開始だってよ」
「え、誰の作戦に決まったの?」
「この4人」
「ふーん、もしかして、明日真衣の作戦に取り掛かるって、こと?」
「そう」
「真衣達、明日大丈夫だけど、香奈美は?」
「大丈夫だよ」
「実はね、カメラは永井から借りてるから」
「真衣ん家にあるのね」
「うん」
「じゃ、明日学校集合」
「オッケー」
2人は校舎に向かって走って行った。
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