八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十五話 学園にも戻ってその十
「一人じゃ危ないよ」
「言われてみればそうね」
「うん、僕も一緒に行くよ」
「悪いわね」
「いいよ、部活の後はね」
暇だからだ。
「行こうね」
「大蒜とか十字架持って」
「ああ、吸血鬼の苦手な」
「聖水もあればいいかしら」
「そういうのは別に」
「いらないの?」
「持っていった方がいいかな」
何だかんだでだ。
「その方が」
「そうなのね」
「大蒜は農業科で育ててるし」
その畑でだ。
「形が悪いから自分達で食べたりするのをね」
「ちょっと拝借ね」
「借りる位ならいけるし」
「後で返せば」
「食べなければね」
本当にそれならだ。
「農業科も文句言わないよ」
「それじゃあね」
「後ね」
僕は詩織さんにさらに話した。
「十字架とか聖水はね」
「教会ね」
「どっちでも貰えるよ」
「カトリックでもプロテスタントでも」
この学園の中にある教会のどちらでもだ。
「いけるよ、ただ」
「ただ?」
「吸血鬼はスラブだから」
ドラキュラ伯爵にしてもだ、ルーマニアはラテン系の国だけれどスラブの血がかなり入っていることは事実みたいだ。
「正教かな」
「ああ、そっちなのね」
「キリスト教でもね」
「イコンとかの」
「そう、そっちになるかな」
「じゃあカトリックの教会から十字架を持って行っても駄目?」
「いや、いけるみたいだね」
僕は完全ではないけれどこう詩織さんに答えた。
「これがね」
「カトリックでもいいの」
「ルーマニアもカトリックの人多いしポーランドはカトリックの国だし」
「正教でなくてもいいの」
「正教の信仰や風習が実際に強いらしいけれど」
それでもだ。
「ヘルシング教授も退治してるしね」
「あっ、そういえばそうね」
「多分いけると思うよ」
「それじゃあ」
「あと別に銀の弾丸とかいらないよ」
僕は今度は狼男の話をした。
「銀の十字架を溶かしたね」
「狼男ってそれじゃないと倒せないんじゃないの?」
「別にそうでもないみたいだよ」
「そうなの」
「ちゃんと他の武器でも倒してるから」
ハリウッド映画以外の媒体ではだ。
「まあそうした存在に銀は効果があるけれどね」
「聖なるものだから」
「そうだよ、まあ十字架とか聖水を持って行ったら」
そして大蒜をだ。
「大丈夫だよ、それでも心配ならお塩だね」
「ああ、お塩って魔除けだからね」
「その効果があるからね」
「それも持って行ったらいいのね」
「念を入れたいならね」
こう詩織さんに話した。
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