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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十五話 学園にも戻ってその九

「お白粉ばばあや生剥、アマメハギね」
「あと座敷童子とか」
「そうした妖怪ね」
「西洋系はいないのね」
「一ついない訳じゃないけれどね」
「あっ、いるんだ」
「妖精とか精霊とか言うべきかも知れないけれど」
 こう前置きしてだ、詩織さんは僕に話した。
「風の又三郎ね」
「宮沢賢治の小説に出て来る」
「そう、元は風の三郎っていったらしいけれど」
「あの妖怪もいるんだ」
「いると思うわ、マントを羽織って詰襟の学生服の子よ」 
 大体年齢は中学生位だろうか、小説ではそんな感じだった。
「出るかもね」
「風の又三郎もいるんだ」
「風の又三郎は結構西洋的でしょ」
「まあマント羽織ってるからね」
 日本にはないものだ、西洋や中国のものだ。それで身体を熱や嵐から守ったり装飾にしていたのだ。
「西洋でしょ」
「言われてみればかな」
「そうした妖怪もいるわよ」
「西洋的な妖怪も」
「一応って感じだけれどね」
 その他は殆どまさに日本のしかも東北ならではの妖怪だ。
「悪路王さんとか」
「阿弖流為さんだね」
「あと安達ヶ原の」
「ああ、あの」
「そう、鬼婆ね」
 この妖怪の話も出た。
「これは有名よね」
「和歌にもなってたね」
「住んでいたっていう岩屋とか使っていた包丁やお鍋が残ってるわ」
「本物かな」
「そうじゃないの?まあこの学園にはいないみたいだけれど」
「この学園は怖い妖怪の話はないね」
 それは本当にない、色々な妖怪や幽霊の話がある学園だけれどそうした話は幸いにして存在してはいない。
「全く」
「じゃあドラキュラ伯爵も」
「紅茶は飲むけれど」
「人の血は吸わないのね」
「狼男もね」
 本当に楽しく時間外れのティータイムをy楽しんでいるらしい。
「そうみたいだよ」
「紅茶とティーセット楽しんでるだけなの」
「そうみたいだね」
「平和ね、じゃあ」
「余計に見たくなった?」
「今日にでも」 
 まさにこの日にというのだ。
「そう思えてきたわ」
「そうなんだね」
「本当かどうか」
 ドラキュラ伯爵がいるかどうかを。
「確かめたくなったわ」
「じゃあ部活が終わったら」
「そこに行ってみようかしら」
「いいじゃないかな、ただね」
「ただ?」
「吸血鬼だからね」 
 その見に行く対象がだ。
「まあ大丈夫だと思うけれど」
「血を吸われるとか」
「その可能性は否定出来ないからね」
 実際の吸血鬼は老若男女問わず血を吸うけれどだ。 
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