八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十四話 軍港その六
「特別な服ですね」
「そうなのですね」
「あの服で海に落ちても見付けやすいそうです」
「青の中の白だからですね」
「はい、そのせいで」
「そうですか、日光を反射してその分暑くないですし」
「夏だから白です」
イギリス海軍が夏の熱帯の暑さへの対処として考えだした服らしい、それが世界中の海軍に定着したとのことだ。
「そうなってます」
「そうですか」
「いや、特にです」
僕はここで上を見上げた、すると。
日差しがかなり強かった、神戸のそれよりも。それでこうも言った。
「瀬戸内は暑いですからね」
「まあそうね」
ラブポーンさんも応えてくれたがすぐにこうも言った。
「タイ程じゃないけれどね」
「いや、タイは別格だよね」
「熱帯だからね」
「そうだよね、流石にタイと比べるとね」
熱帯のその国とだ。
「違うよ」
「そうよね」
「そのタイでも海軍は夏は白だよね」
「ええ、確かね」
「やっぱり夏は白だよ」
「それに限るのね」
「黒だと熱を吸うから」
このことは間違いない。
「辛いんだよね」
「ええ、夏に黒はね」
「そうだよね、辛いよね」
「暑くてね」
ラブポーンさんも同意だった。
「汚れは目立たないけれどね。そういえばだけれど」
「そういえばって?」
「昔の不良さんの話したけれど、さっき」
「ああ、それだね」
「昔の体操服はジャージや半ズボンやスパッツじゃなかったわね」
うちの学園は体操服の種類も色々でそれぞれ選べる。だから女の子も色々な色の体操服を身に着けていえる。
「ブルマだったわね」
「昔はね」
「そうだったわね」
「それもう大昔みたいだよ」
僕はブルマをこの目で見たことはない、学校では。
「超長ランよりはだけれど」
「そうなの」
「もうね」
それこそだ。
「消え失せたよ」
「日本独特の体操着って聞いたけれど」
「もう昔のことだよ」
本当に僕達が生まれる前のことだ。
「まあ超長ランよりは後まであったらしいけれど」
「それでもなのね」
「うちの学園では完全に消えたよ」
もう影一つない。
「半ズボンとかだよ」
「半ズボンね」
「ジャージとかスパッツね」
「そうしたものね」
「ラブポーンさんもだよね」
「私は半ズボンよ」
この体操服だというのだ。
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