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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十四話 軍港その五

「そう考えてね」
「不良グループのリーダーね」
「それが番長だったんだ」
「成程ね」
「そうした人もなんだ」
「超長ランとか着てたの」
「服はボンタンでね」
 こうラブポーンさんに話した。
「そうだったんだ、あとゲタだったりね」
「日本の履きものね」
「そうだったんだ」
「ゲタね」
「そう、昔の不良はね」
 本当に昔の不良はゲタを履いていたりする。このことはチャンピオンだけでなくジャンプやサンデー、マガジンの作品も同じだ。
「そうしたファッションだったんだ」
「随分変わったファッションね」
「超長ランにボンタンにゲタ」
「そう、私から見るとね」
「それで頭はボロボロの帽子なんだ」 
 ついでに言うとボンタンのズボン上は相当あって服の前ははだけさせてさらしを巻いている。それで足はゲタだったのだ。
「そんなのだったんだ」
「ワイルドね」
「まあね、昔の不良の人はね」
「そうした格好だったのね」
「あくまで昔の人はだよ」
「今はいないわね」
「応援団の人もね」
 うちの高等部のだ、今回の合宿にも参加している。
「そんな格好じゃないからね」
「うちの応援団は黒の詰襟の長ランとボンタンね」
「うん」
 それが部活の時の服だ。
「そうなってるね」
「ボタンの数はそれぞれ違うけれど」
 七つボタンのものと五つボタンのものがある、同じ長ランでも。袖ボタンは五つと決まっているそうだけれど。
「あと究極の勝負の時はね」
「その時は?」
「白の長ランらしいけれどね」
 その海軍のものを真似ただ。
「甲子園の決勝とか」
「ああ、そうした時は」
「そう、長ランでもね」
「黒じゃなくてなの」
「白なんだ」
「かなり汚れが目立ちそうね」
「うん、そう思うよ」
 僕にしてもだ、丁度話している前を白の半袖の制服の人が通り過ぎた。帽子の顎止めが金色だったから幹部だとわかった。
「ちなみにさっきの服の人の服は略装でね」
「制服は制服でもなのね」
「普段着る服だよ」
「あの白の詰襟はそうそう着ないのですね」
 早百合さんも言って来た。
「やはり」
「はい、学校の白ランと違って」
「あの白ランも着るのが大変ですし」
 本当に汚れが目立って仕方ないからだ。
「礼装は滅多に着ないです」
「わかりました、ドレスですね」
「コンクールで着る」
「そうですね」
 ピアニストとしてもだ、早百合さんは話した。
「自衛官の方々にとって」
「そうですね、言われてみれば」
「はい、礼装ですね」
「そうなります」
 僕もこう答えた。
「言われてそう思いました」
「そうですか」
「礼装はドレスですね」
「その白ランもですね」
「冬はそのままですけれど」
 黒のブレザーだ。 
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