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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十四話 軍港その三

「制服が入るコースで違うんです」
「そもそもよ」
 ラブポーンさんはセーラー服の人達、護衛艦の桟橋のところにいるその人達を見ながら僕達に話してきた。
「セーラー服とブレザーがあるわね」
「うん、海自さんはね」
「セーラー服は水兵さんよね」
「下士官と幹部の人がブレザーだよ」
「あからさまに違うわね」
「それが海自さんでね」
 そしてだ。
「海軍なんだよ」
「そうなのね」
「制服で階級を区別している一面もあるんだ」
 海軍にはだ、このことは海自さんも同じだ。
「だから七つボタンの制服もあるんだ」
「そういうことね」
「曹候補生や航空学生の人達が防衛省の採用で」
 僕は採用先の話もした。
「候補士や一般の人は地方司令部採用だったんだ」
「ああ、本採用と仮採用」
「それ位の違いがあるみたいだよ」 
 こう言うと会社みたいだ。
「だから制服も違うし入ってからの待遇もね」
「違うのね」
「候補生の人達の昇進は速いっていうし」
 二年で下士官になるだけじゃなくてだ。
「その入試のテストのレベルが実は部内幹部の試験のレベルと同じ位とも聞いたよ」
「じゃあ候補生で入ったら」
「ある程度経てばね」
 下士官になって四年か五年でとのことだ。
「その幹部の試験も受けられるけれど」
「学力維持してるか多少勉強すれば?」
「合格するレベルだったそうだし」
「何か自衛隊も入口社会ね」
「特に海自さんはそうかもね」
 僕が思ったところではだ。
「あくまで僕の思ったところだけれど」
「ううん、入口社会ね」
「ラブポーンさんはあまり好きじゃないかな」
「入ったところはどうでもよくて」
 実際にとだ、ラブポーンさんは僕に答えてくれた。
「大事なのは入ってからでしょ」
「そうなるけれどね」
「何かその話聞くとセーラー服の人って」
 またセーラー服の人達を見る、今は夏なので白い夏用のセーラー服だ。
「海自、海軍の中じゃ地位低いのね」
「幹部で若い人は大抵着たことないよ」
 防衛大学や一般大学から入るかその元七つボタンの人達ばかりだ、海上自衛隊の幹部の人は。そしてこれは陸自さんと空自さんも同じらしい。
「あくまで大抵だけれど」
「わかったわ」
「セーラー服といいますと」 
 早百合さんも言う。
「海軍の象徴の様に思っていましたが」
「実際はむしろです」
「詰襟ですか」
「今はブレザーですね」
 黒地に金色のだ。
「そちらですね」
「そうなのですね」
「はい、うちの学校にもセーラー服の制服ありますけれど」
 女の子の制服だ、昔ながらの。
「あれは元々男の人の服だったんですね」
「ですね、確かに」
「海軍さんの」
「そのことも覚えておきます」
「もっと言うとブレザーも詰襟もそうですし」
 こちらの軍服もだ。
「コートもですね」
「そちらの服もですか」
「トレンチコートもフロックコートも」
「あっ、トレンチコートは」
「トレンチは塹壕ですから」
 英語にするとだ。 
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