八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十三話 最後の一日その十二
「それでもね」
「大変なのはね」
「確かだよ」
それこそという返事だった。
「適性検査もされる位だから」
「そうなのね、しかし」
「しかし?」
「本当に小さいわね」
ラブポーンさんはらあらためて言った。
「何度見ても」
「こうした潜水艦は小さいんだ」
「こうしたって」
「原子力潜水艦は違うけれどね」
朝一年の娘に話したことをそのまま話した。
「あっちは」
「原子力潜水艦は」
「そう、普通にね」
それこそとだ、ラブポーンさんに話した。
「大きいから」
「自衛隊の潜水艦と違って」
「これの何倍もあるみたいだよ」
「何倍なの」
「重さを見たらね」
これがそのまま大きさと思っていい、船の場合は。
「そうなんだよ」
「日本も原子力潜水艦持ったら?」
「今は無理だよ」
本当に朝と同じやり取りだと思った。
「残念だけれどね」
「そうなの」
「日本の事情でね」
核兵器というか原子力関係について議論が複雑なことになっているからだ。
「難しいんだ」
「そういえば原発反対とかね」
「デモよくやってるよね」
「そうね」
「ここもね」
自衛隊の基地についてもだ。
「今も時々入口とかでデモする人達いるからね」
「何とか反対とか言って?」
「そう言ってね、イベントとかしても」
護衛艦に乗せてもらってちょっと航海に出てもらってもだ、こうした催しは僕は子供の頃親父に連れて行ってもらって知って今は一人で行っている。
「周りにいるんだ」
「デモしてるの」
「わざわざ小舟出して周りに一杯いるんだ」
それこそ何処からこんなに集まったのかと思う位にだ。
「一杯いるんだ」
「そうなのね」
「結構以上に面倒だよ」
見ていてだ、僕はそう思う。
「そうした人達って災害でも何もしないんだけれどね」
「困ったことです」
早百合さんが何時の間にか僕達のところに来ていた、そのうえで眉を曇らせて僕達の話に頷いて言ってきた。
「ああした人達は」
「そうですよね」
「自衛隊の人達は災害の時こそです」
「凄く働いてくれますよね」
「はい」
確かな声での返事だった。
「神戸でも新潟でも東北でもそうでしたね」
「本当にあの人達がいないと」
「大変でしたね」
「むしろそうした人達は」
東北でとんでもない話を聞いて怒ったことがある、何でも人の手柄を横取りする様な醜いこをしていたという。
「邪魔になります」
「そうですね」
「神戸でもその時の知事が自衛隊を動かさなくて」
そのせいでだった、あの時も。
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