八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十話 巨大な模型その十二
「実際は」
「じゃあ海自さんも空母あるの」
「そう言っていいの」
「まあそうかな」
実質的にだ、この実質的という言葉も便利な言葉だ。実はそうだとか一応違うとかそうした意味も含んでいるから。
「いづもとか観てたらね」
「何か美和軍事に詳しいわね」
詩織さんはここでこんなことを言った。
「随分と」
「そうかな」
「さっきから私達に色々教えてくれてるから」
「ここに何度か来てるとね」
子供の頃からだ、親父に連れて来られた。お袋も一緒だった時があったけれど何故かその時のお袋は記憶にはない。
「覚えるんだ」
「それでなの」
「覚えるの」
「興味を持って時々ネットでも検索するし」
夜にお酒を飲みながらしたりしている。
「それでね」
「覚えてなの」
「私達にもお話出来るのね」
「そうなんだ、特にね」
実際のところはだ。
「僕はあまり知らないよ」
「まだ知ってる人いるの」
「そうなの」
「シュミレーションゲーム研究会とかね」
うちの大学にはこちらの部活もある。
「凄いからね」
「シュミレーションっていうからには軍事ね」
「軍事ゲームマニアの人達の部活よね」
「あそこはシュミレーションなら何でもするけれど」
恋愛シュミレーションゲームもかなりしている、それでどの娘をクリアーしただのどうしてゲットするかだのそんな話もしょっちゅうしている。
「軍事もよくするから」
「それで詳しいの」
「義和よりも」
「そうなんだ」
「あそこはなのね」
「そういうのに詳しいのね」
「本当に僕よりもずっとね」
マニア揃いで部活の中で切磋琢磨し合っていてだ。
「しかも明るいしね」
「そうしたゲームの研究会っていうと」
詩織さんが言うには。
「暗いイメージあるわよね」
「あるね、どうにも」
「うちの学園そうした部活も多いけれど」
「何処も明るいよ」
「そうよね」
「ヲタクっていうけれどね」
今も否定的に使われる言葉だ。
「それでもうちの学園はね」
「皆明るいよ」
「そうよね」
「そう、普通にね」
明るいとだ、僕も答えた。
「この学園のそうした部活も研究会も全部ね」
「そうよね」
「色々な国、地域から人が集まるからかな」
自分でその明るさの原因について考えて言った、
「それでかな」
「オープンだから?」
「そのせいでじゃないかな」
こう答えた、二人に。
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