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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十話 巨大な模型その十

「そうしてたんだ、あと冷暖房なかったよ」
「冷房なかったの」
「夏でも」
「うん、大和とかにはあったけれどね」
 今の自衛隊の艦艇には常識みたいにあるけれどだ、冷暖房は。それこそどの部屋も快適に過ごせる位だ。
「殆どの艦艇にはなかったよ」
「じゃあ暑いわね」
「今の季節はね」
「我慢出来ないわね」
「夏だともう」
「けれど昔はそれが普通だったから」
 殆どの艦艇でだ、本当に大和とかは例外だけれど。
「南洋でもね」
「真夏の赤道線でも」
「冷房なしでもお仕事して寝てたの」
「もう地獄ね」
「それこそね」
「けれどそれが普通だったから」
 本当にだ、当時はそれがだ。
「皆耐えられたんだよ」
「ハンモックについても」
「皆そうだったから」
「うん、お風呂もね」
 それこそこちらもだ。
「滅多にね、出港中は」
「じゃあ汗もかいて」
「かなり匂いしたわね」
「慣れてないとね」
「辛いかもね」
「そうだよね、今は毎日入られるらしいけれどね」
 出港中もだ。
「昔はそうだったんだ」
「今がどれだけ楽か」
「そうした話にもなるわね」
「毎日お風呂に入られて冷暖房もある」
「しかもベッドもあるし」
「今の護衛艦っていいわね」
「海自さんの船は」
 詩織さんも香織さんもこのことがよくわかった。
「何ていうかね」
「今はいいわね」
「そうした環境でもね」
 寝るのにも苦労して夏は暑くてお風呂にも滅多に入ることが出来ない様なそうした過酷な環境においてもだ。
「海軍の人達はやってたんだね」
「戦いもして」
「そうしていたのね」
「僕も凄いと思うよ、それと」
 僕は二人にさらに言った。
「軍艦違うからね」
「軍艦が?」
 香織さんは僕の今の言葉に怪訝な顔で問うてきた。
「っていうと」
「うん、三笠とか左右に大砲がそれぞれあったんだよね」
「あっ、そうなの」
「帆船みたいにね」
 大航海時代の頃の船みたいにだ。
「船の真ん中に大砲があって左右に旋回して撃つんじゃないんだ」
「そうだったのね」
「その三笠にしてもね」 
 この船もとだ、僕は話した。
「左右に大砲があったんだよね」
「船の」
「うん、大和とかとは違ってね」
 要するに第二次世界大戦の頃の軍艦とはだ、そこが全く違っていたのだ。 
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