八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十話 巨大な模型その六
「そして靖国に行ったんだね」
「そうね、今度機会があったら」
詩織さんはここでこうも言った。
「靖国にも行かないとね」
「そうね、神戸にいたら機会が少ないけれど」
香織さんも詩織さんの言葉に頷く、関西にいるとどうしても東京にある靖国神社まで行く機会は減ってしまう。地理的な問題で。
「行く機会があったらね」
「行かないといけないわね」
「そうよね」
こうした話もした、そして。
僕達は今度は戦闘機に乗って散華していった神風特攻隊の人達のコーナーに来た。この人達の資料も見ると。
香織さんはここでも目を赤くさせた、詩織さんも。
そしてだ、二人でこう話した。
「この人達もね」
「立派よね」
「命まで賭けてね」
「戦ったのね」
「お国の為お国の為って中傷みたいに言う人はいるけれど」
そうした笑顔でだ、僕はそんな笑顔も見た。
「この人達には遠く及ばないどころじゃないよ」
「全く違う世界にいる」
「そうよね」
「そうした人達は特攻隊も日本の軍隊も否定するよ」
戦前の日本自体も皇室もだ。
「けれど北朝鮮はいいんだよね」
「そうよね、どういう訳か」
「あの国はいいのよね」
「こうした人達は駄目でね」
「あの国の軍隊もね」
「皇室は駄目であの世襲の共産主義はいいっていうのが」
それこそだ。
「おかしいんじゃないかな」
「そういう先生いたわよ」
香織さんは香織さんがその目で見たものを僕達に話してくれた。
「私が通っていた中学校でね」
「学校の先生にそうした人多いよね」
「そうなのよね、何故か」
「特攻隊も皇室も駄目だけれど」
「北朝鮮はいいなんてね」
「その先生北朝鮮に行ったことあって」
「あの船で?」
新潟の方から出ている船だ、名前は忘れた。
「そうしたんだ」
「そうみたいよ」
「じゃあ確実にそうした人だね」
「そうよね」
「もうどう見てもね」
「北朝鮮の軍隊についても何も言わないけれど」
それでもというのだ。
「自衛隊には凄く言うのよ」
「そういう人親父が言うにはね」
親父はそうした人と巨人がとにかく大嫌いなのでいつもこう言っていた。
「最悪の馬鹿だってね」
「馬鹿なのね」
「そう言ってたよ」
「まあそうよね」
「戦前の日本は」
それこそだ。
「北朝鮮より遥かにまともだよ」
「あんな風じゃないからね」
「どんな悪事でもする国じゃなかったよ」
間違っても人民が餓えて国家元首だけが肥え太る国家ではなかった、戦前の日本は間違ってもそんな国じゃなかった。
「本当にね」
「そうよね」
「それでそうした人はね」
北朝鮮を賛美したり擁護したりする人はだ。
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