八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八十七話 帝国海軍その六
「もう二度としないわ」
「そういうことでね」
「いや、円香悪いわね」
煽ってくれる円香さんにお礼も言った。
「涼しいわ」
「いえいえ」
「じゃあ後はね」
「後はといいますと」
「ちょっとお水飲むから」
こう言うのだった。
「水分補給ね」
「では」
「ああ、いいから」
円香さんが立とうとしたのは止めた。
「私がするから」
「そうですか」
「ええ、だからね」
「私はですか」
「団扇もいいから」
今扇いでいるそれもというのだ。
「別にね」
「それでは」
「ええ、今まで有り難う」
何か死ぬ前みたいな会話だった、別にそうした状況ではないけれど」
「後は自分でするから」
「わかりましたわ、では」
「それでね、いやしかし」
ここでだ、テレサさんは円香さんにこうしたことも言った。
「水風呂の方がよかったわ」
「サウナの後はね」
「熱い場所の後でまた熱い場所はね」
「うん、よくないよ」
僕もこうテレサさんに言った。
「人間の身体は冷やし過ぎても熱くなり過ぎてもよくないからね」
「中間がいいのね」
「うん、何かうちの学園って極端だけれど」
物心ついた時からそうした場所だと思っている、妙に騒がしくてしかも何かやることが徹底して派手なところがあるからだ。
「それでもね」
「中間ね」
「人間の身体はそっちの方がいいから」
「熱くなったら冷やす」
「冷えたら温めるね」
「それで中間を保つべきなのね」
「だからサウナの後はね」
この場合もこうなることだった。
「やっぱり水風呂だよ」
「そこで冷やすべきなのね」
「これまでのお風呂もそうだったよね」
「ええ、確かにね」
「それならだったんだよ」
「本当にわかったわ、しかもね」
テレサさんはこうも言った。
「私達ってすぐのぼせるのよね」
「すぐにって?」
「だからダオとかラブポーンとか」
「ああ、東南アジアの娘達は」
「祖国じゃいつもシャワーとか水浴びだから」
そうしたやり方で身体を奇麗にするからだというのだ。
「ほら、東南アジアって暑いでしょ」
「うん、そのことは僕もわかってるつもりだよ」
東南アジア諸国からの留学生の子も多い学園だからだ、タイやフィリピン、インドネシアにベトナムにマレーシア、ブルネイにシンガポールといった国々の子達の友達も多い。最近やカンボジアやミャンマーから来ている子もいる。
「東南アジアではお湯とかサウナの習慣は殆どないね」
「そう、だからね」
「サウナもお湯も」
「どちらもね」
それこそというのだ。
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