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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十七話 帝国海軍その七

「あまり入らないから」
「だからだね」
「こうしたのには慣れていないのよ」 
 サウナや湯舟にというのだ。
「だから一気に熱くなって」
「そしてだね」
「そこでまた熱い場所に入ったから」
「余計にだったんだね」
「いや、本当にもうしないわ」
「そういうことでね」
「これで懲りたわ、ただ」
 ここでだ、テレサさんは僕にこうしたことも言った。
「もうお酒はね」
「完全に抜けたみたいだね」
「何しろのぼせる位入ったから」 
 それで、というのだ。
「もう何も残ってないわ」
「それは何よりだよ」
「いや、これでお水飲んで朝御飯食べたら」
「今日も動けるね」
「そうなるわ、それと今日の予定は」
 円香さんから団扇を受け取ってだ、自分で仰ぎながらだった。テレサさんは僕に今日のことを尋ねてきた。
「自衛隊のところ行くのよね」
「うん、海自さんのね」
「士官学校ね」
「あっ、幹部候補生学校だよ」
 僕は名前はすぐに訂正して言った。
「あそこは」
「同じでしょ」
「いや、一応軍隊じゃなくて自衛隊だから」
 日本にあるものはとだ、僕はテレサさんにこのことは断った。
「それで士官学校になるのは防衛大学だから」
「ああ、そういう大学あるわね」
「横須賀の方にね、そっちが士官学校で」
「じゃあ今日行く学校は」
「士官学校の次の課程になるかな」
 僕は考えながら言った。
「昔は確かに士官学校って言ってよかったけれどね」
「昔はなのね」
「海軍の頃はね」
 あの帝国海軍の時代だ、その頃の名前は海軍兵学校だった。
「あの頃は確かに士官学校って言ってよかったね、名前は兵学校でも」
「そうだったのね」
「うん、けれど今は違っていて」
「幹部候補生学校ね」
「あそこに防衛大学を出た人も一般大学を出た人も入って」
 その両方のコースがだ。
「それで一年勉強して半年位世界を船で回って幹部、他の国の軍隊の士官になるんだ」
「そうした場所よね」
「それと色々な歴史資料があって景色も奇麗だから」
 むしろこうしたものを観に行くと言っていい。
「そっちも楽しみにしておいてね」
「自衛隊の人達を観るよりも」
「そっちだね、それに今日は平日だから」
 夏休みとかだとついつい忘れてしまうがそうなのだ、今日は平日なのだ。
「自衛隊の人達は訓練と講義だよ」
「そっちなのね」
「そう、だからお会い出来てもね」
「そんなお話とか出来ないのね」
「案内役の人はいても」
「わかったわ、それじゃあね」
「うん、そういうことでね」
 こうテレサさんに話した。
「こうしたこと頭に入れておいてね」
「そうさせてもらうわ」
「まあ士官学校みたいな場所でも」
 僕はテレサさん、お話の中で自分でペットボトルのお水を買って飲みはじめている彼女にこうしたことも話した。
「平和だから」
「まあ戦争していないからね」
「別に殺伐とはしてないよ」
 僕はこのことは断った。
「全然ね」
「そうよね」
「戦争はね」
 本当にだ、日本の場合は。 
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