八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八十七話 帝国海軍その五
「お風呂入ったの」
「それでのぼせたとか?」
「そうなの」
「ああ、そうなったんだ」
「お酒抜こうって思ってね」
このことは僕と同じだった。
「サウナに入ってその後に」
「どうしたのかな」
「お風呂に入ったのよ」
そこにというのだ。
「お湯のね」
「水風呂じゃなくて」
「徹底的に汗かこうって思って」
「それ駄目だから」
僕は一言でだ、テレサさんに答えた。
「サウナは熱いからね」
「そうよね」
「一旦身体を冷やす為にもね」
このことが重要だ、何といっても。
「水風呂に入るものだよ」
「そうよね、普段はそうしてたけれど」
「今日はなんだ」
「あんまりにも酔ってたから」
二日酔いが酷かったからというのだ。
「徹底的にしようって思ってなの」
「それでだったんだ」
「お湯に入ったの」
「それはまた無謀だね」
「いや、最初にサウナに入った時は水風呂で」
その時は普通に行ったというのだ、サウナの手順を。
「二回目もしてサウナには三回入って」
「その三度目の後で」
「お湯のお風呂に入ったら」
「のぼせたらしいのです」
円香さんはテレサさんを団扇で仰ぎつつ僕に話した。
「そうしましたの」
「そうだったんだね」
「お湯からあがって身体洗って出ようとしたら」
その時にというのだ。
「ふらふらで」
「のぼせて」
「そう、それで脱衣場で身体拭こうとしたらふらっときて」
そしてというのだ。
「そこを円香に支えてもらったの」
「本当にわたくしがあと少し遅かったら」
円香さんはテレサさんを団扇で仰ぎ続けながら言う。
「倒れていましたわ」
「いやあ、危なかったわ」
「ううん、やっぱりね」
僕はあらためてだ、テレサさんに言った。
「サウナの後は水風呂だよ」
「冷やすべきね」
「うん、幾らお酒が残っていてもね」
二日酔いが酷くてもだ」
「水風呂の方がいいよ」
「汗をかくんじゃなくて」
「うん、それに三回もサウナに入っていたら」
途中水風呂を挟んでだ。
「お酒抜けてない?」
「うん、すっかり抜けてたわ」
「そうだよね、じゃあね」
「いや、念には念を入れて」
そしてというのだ。
「そうしたのよ」
「お酒を完全に抜こうって」
「そうしたけれど」
「やっぱり無謀だったね」
僕はまたテレサさんに言った。
「幾ら何でも」
「そうね、反省したわ」
テレサさんはそののぼせた顔で僕に答えた。
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