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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十七話 帝国海軍その四

 身体が極限まで冷えたからだ、皆と一緒に水風呂から出てサウナ室に戻った。そこでまた汗をかいてだった。
 すっきりしてだ、僕は汗を今度はシャワーで洗い落としてから皆にこう言った。
「身体洗う?」
「湯に入らないか?」
 一人がこう言って来た。
「そうしないか?」
「お湯に?」
「また水風呂に入ってな」
 そうしてサウナで熱くなった身体を冷やしてというのだ。
「そうしないか」
「そうするんだ」
「ああ、皆もどうだ?」
 その言いだしっぺの彼は他の皆にも聞いてきた。
「まずはまた水風呂に入ってな」
「それでか」
「身体冷やしてか」
「湯舟に入る」
「そうしようっていうんだな」
「もうすっかり酒は抜けたけれどな」
 それでもというのだ。
「お湯にも入るんだな」
「折角お風呂にいるんだし」
「それならか」
「サウナだけじゃなくて」
「日本人はな」
 彼はこうも言った。
「いや、日本にいるとな」
「お風呂に入ったらか」
「ただサウナやシャワーだけじゃなくて」
「お湯にも入る」
「そうすべきだっていうんだな」
「ああ、そうしないとな」
 それこそという口調の言葉だった。
「入った気がしないだろ」
「まあそれはな」
「俺達もそうだな」
「言われてみるとな」
「そうだな」
「それじゃあ入ろうな」
 是非にと言ってだ、そしてだった。
 僕達は湯舟にも入った、もうその頃には頭は完全にすっきりしていていい気持ちになっていた。やっぱり二日酔いにはお風呂だ。
 身体も髪の毛も洗って奇麗にもなってだ、僕達はバスタオルで身体を拭いて完全にすっきりしてだった。
 僕達はお風呂場を出た、入れ替わりに沢山の生徒が来た。
 ロビーに出るとだ、テレサさんと円香さんが二人で休んでいた。部屋の皆が二人に気付いて僕に言ってきた。
「確かあの娘達あれだろ」
「御前のアパートの娘達だろ」
「何か休んでるぞ」
「どうしたのかな」 
 僕も二人を見て思った。
「一体」
「ちょっと声かけてきたらどうだ?」
「やっぱり何かあるんだろうな」
「だからな」
「そうしたらどうだ?」
「俺達先に部屋に戻るからな」
「うん、じゃあね」
 僕も部屋の皆の言葉に頷いてだ、そしてだった。
 皆と一旦別れて二人がいる席に来た。二人共浴衣の下はジャージだった。
 その格好でほっとした顔になっている、その二人に尋ねた。
「どうしたの、一体」
「はい、朝にお風呂に入っていまして」
 円香さんが僕に答えてくれた。
「そこにテレサさんもいましたが」
「二日酔いになったからね」 
 テレサさんは溶けそうな、湯立った顔で言って来た。褐色の肌なのでわかりにくいけれどかなりそうなっている感じだ。 
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