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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十七話 帝国海軍その三

 僕もだ、身体が急に冷えていく中で皆に言った。
「これで朝御飯食べて」
「今日も合宿だな」
「学校行くよな、今日は」
「そうだな」
「そうそう、今日はね」
 まさにとだ、僕も皆に応えて言う。
「海自さんの方に行くんだよね」
「幹部候補生学校な」
「海上自衛隊の」
「昔は兵学校だった場所な」
「あそこに行くな」
「今年もね」 
 施設研修ということでだ、僕達は合宿に来たら常にあの学校に行ってそしてその中を見せてもらっている。去年もそうだった。
「行くんだよね」
「だよな、楽しみだな」
「あそこ回天とかあるしな」
「人間魚雷な」
「本物のな」
 特攻隊の人達が乗り込んだ人が操縦して敵艦に攻撃をする兵器だ、文字通り命を捨てた攻撃を行う恐ろしい兵器だ。
「回天の資料もあるしな」
「開発者の人も軍服もあって」
「資料館に」
「あれは言葉もないな」
「うん、特攻隊のことはね」 
 あの神風特攻隊のことも資料館で詳しく説明されている、僕は去年見せてもらったそちらのことも思い出しながら話した。
「凄いよね」
「冷静に、ああいうことしたんだな」
「命捨てて戦ってたんだな」
「日本の為に」
「未来の俺達の為に」
「そうだね、僕去年見てね」
 特攻隊のことをだ、この目で。
「泣いたよ」
「俺もだ」
「俺もだよ」
「あんな奇麗で悲しい話ってあるんだな」
「信じられない話だな」
「全くだよ」
 僕は水風呂の中で遠くを見る目になって言った。
「人ってあそこまで奇麗になれるんだね」
「奇麗だけれど悲しいな」
「見ていてな」
「そんな気分になったな」
「本当に」
「うん、他の海軍の資料もあるしね」
 特攻隊のもの以外の資科もある、それも数多く。
「あそこに行くと考え方変わるよ」
「ああ、俺達こうして適当に生きてるけれどな」
「部活で遊んで酒飲んでな」
「こうして風呂も楽しんでるけれど」
「あそこに行くとな」
 そして海軍の人達の生き様を見せてもらうとだ。
「泣きそうにもなるし」
「凄いのも見て」
「本当にな」
「生き方とか人生観変わるな」
「あそこは」
「うん、外国の人達も行くしね」 
 当然八条荘の皆もだ、とはいってもうちの皆はそうした歴史で特に強い考えを持つ娘はいない。このことは幸いだろうか。
「合宿に参加してる」
「そうそう、外国組にも好評でな」
「あそこは」
「海も見られて」
「赤煉瓦も」
 兵学校、今は幹部候補生学校の校舎だ。イギリス風の建築の何とも奇麗な左右対称の校舎だ。
「あれも見られてな」
「いいよな」
「じゃあ酒はじっくりと抜いて」
「それで行こうか」
「あそこに」
「そうしようね」
 僕は皆に言った、そしてここで。 
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