八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八十六話 自分も歌ってみてその十二
「しかも毒蛇だけではないですから」
「まああそこはね」
「また別格ですね」
「確かに毒蛇だけじゃないからね」
「様々な生きものがいます」
「鰐にピラニアにアナコンダに」
「デンキウナギもいますね」
「血を吸う魚もね」
何といっただろうか、名前はド忘れした。確か人のお尻の穴から入って血を吸うとんでもない魚だった。小さいらしいけれえど。
「いるね」
「はい、ですから」
「アマゾンの方がだね」
「遥かに危険です」
台湾よりもというのだ。
「毒蛇だけではないので」
「毒蛇も怖いのに」
「まだいますから」
それでというのだ。
「あの場所は」
「ううん、そうしたことを聞くとね」
「アマゾンは恐ろしい場所ですね」
「人はあまり住んでいないよね」
「部族の人達が住んでおられるしにても」
「アマゾンの中にはだね」
「殆どおられません」
そうした場所だというのだ、アマゾンは。
「河の港町はあるにしても」
「奥にはとてもだね」
「そうするにはあまりにも過酷な場所なので」
「仮面ライダーでもないと無理なんだね」
仮面ライダーアマゾンだ、この仮面ライダーはかなり独特で野性味溢れるキャラクターだった。まさに野獣の様な戦いだった。
「人が生きていくには」
「私もそう思います」
「そうだよね」
「台湾は確かに毒蛇が多く」
小夜子さんはさらに言った。
「昔は疫病も多かったですが」
「アマゾンよりはだね」
「危険は少ないです」
「そうなんだね」
「しかもインフラが充実しているので」
「ああ、あそこはそうだったね」
日本の統治時代かららしい。上下水道やダムに衛生施設にとだ。日本はあの島で内政に力を注いだという。
「近代的だね」
「はい、かなり」
「それでなんだね」
「インフラが充実しているので」
「暮らしやすいんだね」
「勿論血清もあります」
毒蛇に噛まれた時のお薬もあるというのだ。
「ですから安心出来ます」
「それは何よりだね」
「もっとも噛まれないことが一番いいですが」
「それはその通りだね」
「はい、本当に」
「まあとにかくね」
ここでだ、詩織さんが再び僕に言って来た。
「何時かヒバゴンも見てみたいわね」
「そうね、ナマハゲみたいなものよね」
香織さんも言う。
「要するに」
「そうよね、妖怪なら」
「ナマハゲもそんなのだしね」
「妖怪に近いからね」
「神様だけれどね」
「ああ、ナマハゲとかって神様なんだよね」
僕はこのことを思い出した、二人の話を聞いて。
「妖怪とも言われるけれど」
「そうよ、神様よ」
詩織さんは僕にもこう言った。
ページ上へ戻る