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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十四話 西瓜割りその十三

「実際にね」
「相当に甘いでしょ」
「うん、糖分も多いよね」
「あとパイナップルもあるけれど」
「あれは野菜にしても」
「甘い野菜で」 
 ダオさんも僕に合わせてくれた、さっき食べた西瓜にしても苺にしてもこのパイナップルにしても木に実らないお野菜になる。畑で採れるものはお野菜だと農業科の子は力説する。
「酸っぱいけれど」
「甘くもあるでしょ」
「強烈な甘酸っぱさだね」
「それで糖分もね」
「日本の果物に比べて多いんだね」
 日本では沖縄とかで採れる、言わずと知れた日菜子さんの出身地だ。
「蜜柑とか梨とか柿に比べたら」
「全然よ」
「そうだよね」
「枇杷とかに比べても」
 それこそというのだ。
「南方の果物は糖分が多いのよ」
「そうなんだね」
「あとお酒も強いから」
「ああ、ベトナムの地酒は」
「強いけれど」
「糖分も多いんだね」
「そう、まあそれでもね」
 ダオさんは僕にあらためて言った。
「ベトナムやタイもそんなに太ってる人いないわよ」
「そうなんだね」
「ええ、ダオだって痩せてるでしょ」
 言われてみればそうだ、ダオさんは小柄でしかもすらりとしている。痩せていると言えばその通りのスタイルだ。
「そうでしょ」
「確かにそうだね」
「だからね」
「その国それぞれだね」
「というか暑い国だと」
「どうしても太ってると辛いんだね」
「その筈だけれど」
 ここでだ、ダオさんはニキータさんを見た、そしてニキータさんも言う。
「ブラジル太ってる人多いから」
「そうらしいね」
「僕は違うけれど家族でもね」
「太ってる人いるんだ」
「日本の力士さんみたいな人がね」
 実際にというのだ。
「いるんだ」
「そう、いるよ」
 実際にというのだ。
「もうお肉に甘いものを食べ過ぎてね」
「それでなんだね」
「そう、まあブラジルでもね」
「お肉たっぷり食べて」
「甘いものは徹底して甘いから」
 暑くても、というのだ。
「だからね」
「太ってる人も多いんだ」
「それで太り方も凄いのよ」
「そうだったんだ」
「まあ実際にね」
「太り過ぎはだね」
「やっぱりよくないよ」
 ニキータさんも言うのだった。
「身体にもね」
「そうなるね」
「そうそう、身体はね」
「適度が一番だね」
「痩せ過ぎも太り過ぎもよくないよ」
 どっちもというのだ、本当に確かにだ。痩せ過ぎてもよくない。よく太るのが怖くて拒食症になってる娘の話を聞くけれどそれはそれで命の危険がある。
「バランスよ」
「よく食べてよく身体を動かす」
「それが一番いいのよ」 
 健康的にとだ、ニキータさんもこう言った。そして。 
 僕達は西瓜を楽しんだ、その西瓜の後も少し遊んだ。それで夕方になってだ。
 皆ホテルに戻った、それからまた夜のご馳走を楽しむのだった。勿論お酒の方も。


第八十四話   完


                    2016・3・17 
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