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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十四話 西瓜割りその十二

「だから相当食べても」
「他の国の人に比べて太らないんですね」
「カロリーも糖分も控えめだからネ」
「そうなるのも当然ある」
 ここでまたジューンさんと水蓮さんが僕に話してくれた。
「しかも日本人かなり少食だシ」
「太らないのも当然あるよ」
「ううん、少食って言われると」
 僕はともかくとして思いあたるふしがあった。
「確かにうちの学園の食堂も」
「ああ、俺が学生になる前だがな」
 先生も僕に話してくれた。
「留学生が最初に来た頃苦情が多かったそうだ」
「食堂の料理の量が少ない、ですね」
「色々な国の留学生から苦情が来てな」
「量が多くなったんですね」
「そうなったんだ」
「だからうちの学園の食堂の料理ボリュームもあるんですね」
「そうだ」
「その話聞きました」
 このことは親父からじゃない、珍しく。
「小学校の時先生に」
「とにかく日本人はな」
「少食なんですね」
「アジア人の中でもな」
「みたいですね」
「他の国のアジア系の子も食うだろ」
「日本人よりずっと」
「同じ様な体格でもな」
 同じ黄色人種だからだ、体格も似た感じであることが多い。けれどそれでも他の国から来た留学生の子達もだ。
「そうだろ」
「よく食べます、日本人よりも」
「そういうことなんだよ、日本人は全体の傾向としてな」
「少食なんですね」
「俺の頃からそうでな」
「今もですね」
「少食でな、しかもさっき御前等が話した通り脂分も糖分も少ない」 
 食べる料理の全体的な傾向としてだ。
「そもそも味覚的に脂っこいのや甘過ぎるのが苦手でな」
「痩せた人が多くなるんですね」
「そうだ、太ってもな」
「極端に太った人は少なくなるんですね」
「そういうことだ」
「成程」
「痩せ過ぎもよくないけれど太り過ぎもよくない」
 エルザさんはまた僕に言った。
「どっちも」
「それで、なんですね」
「日本の食事はそこもいい」
「脂分や糖分が少なめで」
「しかも栄養バランスもいいから」
「エルザさんもですね」
「好きになった、焼きそばとかも」 
 さっき食べたそれもというのだ。
「かなりいい」
「ああ、焼きそばは」
 焼きそばについてはだ、僕はこう答えた。
「実は」
「太りやすい」
「はい、あれはあまりダイエットにはよくないです」
「いや、それは日本のお料理の中の話で」
「オーストラリアでは、ですか」
「やっぱりヘルシー」
 そう言っていい食べものだというのだ。
「さっき食べたのも」
「そうなんですね」
「そう、焼きそばでも」
「結構カロリー高いと思いますけれど」
「それは日本での基準」
 あくまで、というのだ。
「他の国ではまた違う」
「まあとはいっても」
 ここでダオさんがこんなことを言って来た。
「その国それぞれで東南アジアはね」
「ベトナムとかタイは」
「カロリー少なめよ」
「やっぱり暑いから」
「そう、ただお菓子はかなり甘くて」
 そしてとだ、ダオさんはさらに話してくれた。
「果物は凄いわよ」
「物凄く甘いんだね」
「マンゴーとかね」
「ああ、マンゴーはね」
 あの果物のことを聞くとだ、僕も頷いた。あの果物は今では日本でもスーパーや百貨店で普通に売られている。お年寄りの人は凄い時代になったと言う。 
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