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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十三話 海での午後その五

「親父とは違うし誰ともね」
「親父さんみたいなことにはか」
「なっていないんだな」
「そう言うんだな」
「そうだよ、僕は女の子は嫌いじゃないけれど」
 このことは断った、それも強く。
「けれどね」
「それでもか」
「まだ誰ともか」
「そうしたことはないんだな」
「そうなんだな」
「誓って言うよ」
 神様でも仏様でもとだ、僕は言った。
「絶対にね」
「だからか」
「それでか」
「親父さんみたいなことはなくて」
「普通に暮らしてるんだな」
「皆が考えているみたいなことはね」
 僕は強い声で言った。
「ないから」
「ちぇっ、面白くないな」
「何か御前ってそこで前に出ないからな」
「ホモじゃないにしても」
「親父さんとは本当に違うな」
「だから親父とは違うから」
 僕はまたこう言った。
「僕はああした破天荒なことはしないよ」
「そうか、じゃあ今もか」
「大人しく審判やってるんだな」
「それだけなんだな」
「そうだよ」
 その通りとだ、僕は答えた。
「こうしてね」
「そうか、わかった」
「じゃあ俺達ここにいるな」
「他にやることないし」
「八条荘の娘達とな」
「いてもいいが」
 井上さんはバスケ部の面々にも言った。
「しかしだ」
「はい、いやらしい目で観るな」
「絶対にですね」
「皆さんは」
「男なら仕方ない時もあるだろう」
 気遣いも見せた、この辺り井上さんも立派だと思う。僕達についてもそうした感情も理解してくれているのだ。
「しかし収めることだ」
「それぞれの中に」
「ひっそりと」
「そうすることだ」
 こう忠告するのだった。
「いいな」
「わ、わかりました」
「そこは気をつけます」
「俺達にしても」
「そうしたものは出さないようにします」
「そのことは気をつけることだ」
 井上さんは皆にさらに忠告した。
「目と身体にはな」
「出さない様にします」
「絶対に」
「そこは」
「その様にな、では一緒に楽しもう」
 こう言ってだ、井上さんは言葉を止めた。そして。
 皆で海を楽しんだ、バスケ部の皆は八条部の皆と一緒に遊びだした。中には強引にビーチバレーに入っている面々もいる。
 その彼等についてだ、ダオさんが僕に言って来た。 
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