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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第八十三話 海での午後その四

「真面目で穏やかで」
「そうした人間か」
「そう思いますが」
「ならいいがな」
「それでなんですけれど」
「うむ、彼女は暫くいない」
「そうですね」
 僕はあらためて井上さんの言葉に応えた。
「それで早百合さんの他にも」
「誰か抜ける人がいれば」
「その者はいるか」
 井上さんは皆に尋ねた、ここで。
「予定があれば言ってくれ」
「誰か予定あるかな」
 僕も皆に聞いた。
「あればここでお話してね」
「今のうちに頼む」
 二人で聞いた、そうして皆の予定も聞いてだった。ビーチバレーをはじめたけれど。
 そこにバスケ部の皆も来てだ、審判役の僕にやっかむ顔を作って言って来た。
「何だよ、おい」
「この夢みたいな状況は」
「女の子の水着見放題かよ」
「ビーチバレーなのかよ」
「あっ、皆も来たんだ」
 正直忘れていた、八条荘の皆のことに専念していて。
「そういえばバスケ部は何するのかな」
「ああ、何もないぜ」
「っていうか彼女彼氏持ちはもうそれぞれだよ」
「順次解散」
「デートに行ったぜ」
 こう僕に言って来た。
「だからな」
「ここにいるのは独り身だけだよ」
「それでやることないからここに来たんだよ」
「冷やかしにな」
「冷やかしっていうけれど」
 僕は審判の場所から周りにいる皆に言い返した。
「僕ただここでね」
「審判してるだけ」
「それだけっていうんだな」
「御前にしては」
「ごく普通っていうんだな」
「いつもこうじゃないけれど」
 僕は皆に断りの言葉を入れた。
「けれどうちのアパートこうしたイベント多いから」
「何っ、こんなか」
「こんな集まり多いのか」
「そうなのか」
「それは凄いな」
「だからいつもじゃないよ」
 僕はこのことを断った。
「お庭とかで流し素麺とか旅行の予定とかあるけれど」
「旅行かよ」
「この娘達とか」
「余計に羨ましいな」
「本当に親父さんみたいだな」
「だから親父とは違うから」
 親父のことを言われると引けなかった、幾ら何でもあの無茶苦茶な遊び人で漁色家と比べられると違うと言う。
「あんな人間滅多にいないよ」
「けれどよ、こんな可愛い娘ばかりだぞ」
「全部で二十四人だろ」
「二十四の瞳どころじゃないぞ」
「どれだけ多いんだよ」
「このこともたまたまだから」
 今思うと流れるみたいな感じでだった。
 僕は八条荘の管理人になって畑中さんが来てくれてだ、女の子達が入居してきて今の状況になっている。
 それでだ、皆にもこう言った。 
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