八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第八十話 午前の練習その六
「やっぱりやるんならな」
「はい、真剣にですね」
「真剣にやってこそっていうんですね」
「バスケでも何でも」
「そうしないと駄目ってことですね」
「そうだ、楽しく真剣にだ」
バスケだけでなくスポーツはというのだ。
「やらないとな」
「だからってことですね」
「やるなら真剣に汗をかけ」
「やる気がないならやるな」
「どっちかですね」
「そうしないと怪我もするしな」
嫌々やる気のないままいい加減にしてもというのだ。
「だからだよ、じゃあ休憩が終わったらな」
「リバウンドとか練習して」
「それで、ですね」
「昼飯食って」
「その昼飯からですね」
「海だ」
まさにそれだという返事だった。
「海でバーベキューだからな」
「それで泳ぐんですね」
「そっちもですよね」
「皆水着は持って来ているな」
先生は僕達にこちらのことも聞いてきた。
「そうだな」
「はい、言われてましたし」
「持ってきてます」
「ちゃんとです」
「そうしてます」
「それならいい、帽子はまだどうにかなってもだ」
それでもというのだ。
「水着は自前だ」
「絶対に、ですよね」
「水着は」
「靴下と水着は自分のものだけを身に着けろ」
それと下着もだ、この先生はいつも僕達にこう言う。
「さもないと恐ろしいことになりかねないからな」
「水虫とインキンですね」
「それですね」
「そうだ、どっちも気をつけろ」
絶対にという返事だった。
「先生が海自の人に言われたことだ」
「先生の学生時代にですよね」
「そうですね」
「そうだ、どっちもなると大変らしいぞ」
先生は衛生への教育もかなり熱心だ、僕達に怪我をするなと言うことと同じ位清潔にしておけとも言っている。
「水虫もインキンもな」
「どっちもですよね」
「一回なったら地獄なんですよね」
「もう痒くて」
「それで」
「そうだ、タムシチンキを塗ってもな」
その水虫やインキンの薬だ。
「中々治らないしな」
「嫌な病気ですね」
「だから絶対にですね」
「靴下と水着は自前ですね」
「パンツも」
「間違っても借りるな、貸すな」
そうしたものはというのだ。
「さもないと本当に地獄だからな」
「痒み地獄ですか」
「それになるってことですね」
「わかったら気をつけろ、水着を持って来てない奴は買え」
この江田島でというのだ。
「先生が売っている店に連れて行ってやる」
「はい、持ってます」
「安心して下さい」
皆言って来た、勿論僕達もだ。
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