八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十九話 夜も入って朝もその十三
「まあアメリカでも普通は未成年は飲酒禁止だよ」
「八条町、そしてこの学園はね」
「特別だから」
飲んでいいのだ、お酒を。
「飲んでるけれどね、皆」
「そうだよね、それで僕も飲んでるし」
「僕もね、日本酒が美味しくて」
とにかくそれが理由だった。
「飲み過ぎたよ、それでそんな時は」
「お風呂だね」
「特にサウナだね」
「汗をかいて」
「二日酔い解消だよ」
「同時に毒素も抜けるし」
アルコールだけでなくだ、身体の中の毒素もだ。老廃物といってもいいけれどそうしたものも抜けていくのだ。
「健康にもなるよ」
「サウナは最高だね」
「ただ、汗をかくから」
「脱水症状には注意だね」
「お水も飲んでね」
途中なり入った後でだ。
「水分補給も忘れない」
「それも大事だね」
「そう、サウナにはね」
こうした話をしているとだった、僕達は。
自然とだ、汗が玉から滝になってだった。もう我慢出来なくなって。
暫く前に戻ってきていた中込君に挨拶をしてだった、水風呂に入った。そこで身体を一旦思いきり冷やしてからだった。
またサウナに入った、そこでまた汗を流して。
水風呂に入って僕はここでジョーンズ君、中込君を別れて。
お湯に入ってあったまった、それから。
身体と頭を洗ってだ、そうしてお風呂を出た。
もうお酒は完全に抜けていた、それですっきりとして浴場を出ると。
ロビーに千歳さんがいた、千歳さんもすっきりした顔でいてお水を飲んでいた。その千歳さんが僕に言って来た。
「すっきりしました」
「そうみたいだね」
「入るまでは頭が痛くて」
「もう我慢出来なかったね」
「はい、ですが」
今はというと。
「もう万全です」
「大丈夫だね」
「頭も身体もすっきりです」
そうした状態だというのだ。
「軽い感じですね」
「僕もだよ、二日酔いが抜けた時ってね」
「凄く気持ちいいですよね」
「もう嘘みたいにね」
「これで、ですね」
「今日も一日頑張れるよ」
「部活も楽しめますね」
千歳さんはにこにことして合宿のことも話した。
「これで」
「うん、それは間違いなくね」
「お芝居の練習も出来ます」
「演劇部の」
「今度はシェークスピアですけれど」
「ああ、あのイギリスの」
「はい、マクベスをします」
シェークスピアの代表作の一つだ、妻に唆された男が権力を追い求め悪事を重ねていく物語だ。かなりシビアなストーリーだ。
「あの作品を」
「そう、マクベスなんだ」
「何でもうちの演劇部はシェークスピア好きらしいですね」
「去年結構してたね」
そういえばだ、上演の宣伝のポスターとかを見ていたらだ。
「実際に」
「そうらしいですね」
「それもね」
そのシェークスピアの作品の中でだ。
「マクベスにしろ。他にはオセローとかリア王とは」
「渋めの作品ですね」
「ハムレットとかロミオとジュリエットとかは少なくて」
よく挙げられる恋愛系の作品でなくだ。
「そうした作品の上演が多いね」
「先生がお好きらしくて」
「顧問のね」
「喜劇にしても」
シェークスピアは悲劇だけじゃない、喜劇も多い。けれどそうした作品もだ。
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