八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十九話 夜も入って朝もその十二
全身から汗をかいてそれがかなりになってきた、ジョーンズ君もだった。
汗をかいてきてだ、僕に笑って言ってきた。
「こうしてるとね」
「実際にだね」
「お酒抜けてきてる感じがするよ」
「そうだよね」
「汗かいてると」
「段々と頭が痛くなくなってくるね」
「いい感じにね」
笑っての言葉だった、気分がよくなっていることに対して。
「じゃあ今の熱さに我慢出来なくなったら」
「その時はだね」
「僕も水風呂に入るよ」
「そうするんだね」
「大家君もだね」
「そうするのがサウナだからね」
汗をかいて我慢出来ないまでに熱くなったらサウナ室から出て水風呂に入る、そうしたことをすることこそがだ。
「それで冷やしてね」
「また入ってね」
「そうするものだからね」
「そういうことだね」
「僕もそうするよ」
「大家君も段々汗かいてきたね」
「この通りね」
両手の汗が玉みたいになってきた、汗腺から吹き出して。
「ここからなんだよね」
「そうそう、汗をさらにかいて」
「この汗が滝みたいになるんだ」
「そうなって我慢出来なくなるまでいる」
「ここにね、それで湯舟に入る?」
「そっちにも入るつもりだよ」
ジョーンズ君は僕に微笑んで答えた。
「実際にね」
「そうするんだね」
「少しだけれどね」
「アメリカ人ってシャワー派の人多いよね」
「浴びて奇麗にするけれど」
「それだけだね」
「うん、バスルームはユニットだし」
トイレと一緒になっているあの形式だ、どうも僕はあの形式のバスルームに抵抗があって使いたくない。
「アパートとか粗末なバスルームのところ多いよ」
「シャワーがあるだけとか」
「そんなアパートもあるよ」
「アメリカからの人よくそう言うね」
「実際にそうだからね」
「お風呂好きにはね」
それこそとも言った僕だった。
「そこは困るかな」
「バスルームあるアパートも多いけれどね」
「こうして楽しむ人は少ないんだね」
「どうしてもね」
「昔映画にあったみたいな」
僕はこうも言った。
「浴槽の中を泡だらけにして」
「お風呂に入るあれだね」
「ああいうのはあるかな」
「それ昔だね」
笑ってだ、ジョーンズ君は僕に言ってきた。
「もうね」
「昔なんだ」
「そうだよ、シャワーが普及するまでだよ」
「シャワーが普及したら」
「シャワーだけになったんだ」
「そうした人が増えたんだね」
「本当に身体洗うだけだよね、シャワーって」
そのシャワー派の人が多いアメリカ人の言葉だ。
「時間がない時はそれでいいけれどね」
「楽しめないね、それにね」
「二日酔い、今の時はね」
「それじゃあお酒は抜けないし」
「辛いままだよ」
実際にとだ、ジョーンズ君は言った。
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