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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十八話 赤い海と紫の道その九

「あの、本当にですね」
「牡蠣一杯ありますね」
「生牡蠣がこれでもかって」
「それに牡蠣フライもあって」
「凄いですね」
「これ全部食べていいんですね」
「若し残ったらね」 
 何でも残ることは殆どないそうだけれど、ホテルの人が言うには。
「明日の朝焼いて出て来るからね」
「焼牡蠣ですね」
「それで」
「それか御飯に入ってるから」
 牡蠣御飯だ、僕はこちらも好きだ。
「残してもいいからね」
「はい、これだけありますと」
「凄い量ですから」
「食べきれないかも知れないですし」
「ですから」
「うん、そうしたことは気にしないで」
 僕は一年の子達にまた言った。
「そしてね」
「そしてですね」
「お酒もですよね」
「飲むんですね」
「飲み放題ですね」
「うん、一人一升はあるからね」
 実際はもっとあると思う。
「好きなだけ飲んでいいよ」
「わかりました、じゃあ」
「皆でね」
「飲ませてもらいます」
「是非共」
「そうしてね、とにかくね」
 また言った僕だった。
「皆で飲んでね」
「それじゃあ」
 一年の子供達も頷いてだ、そしてだった。
 僕も皆もだ、一緒にだった。
 その牡蠣を中心に食べはじめた、御飯や他のおかずも楽しんでいたけれどやっぱりメインは言うまでもなかった。
 牡蠣にお酒、その二つをだった。
 皆好きなだけ楽しんだ、勿論僕もだ。
 お酒を飲んで牡蠣を楽しんだ、生牡蠣をお椀の中に相当に入れて。
 その上にぽん酢をかけてだった、それを食べながら飲んだ。
 そしてだ、食べて飲んでいると。
 目の前でだった、あの勝負が行われていた。
「おい、凄いな」
「ああ、合唱部と軽音楽部な」
「女子のな」
「どっちも凄いな」
「飲み比べかよ」
「凄い勢いで飲んでるな」
 バスケ部の皆もその光景を見つつ言った。
「俺達もかなりだけれどな」
「向こうはもう無茶苦茶だな」
「勝負だからな」
「次々に飲んでるな」
「どっちが勝つと思う?」
 同じ二年生の宮脇君がだ、僕に顔を向けて聞いて来た。
「バスケ部と軽音楽部な」
「難しいね」
 僕はこう宮脇君に答えた、見れば軽音楽部にはチェチーリアさんもいる、ダオさんと向かい合った形で飲み合っている。
 その光景を見ながらだ、僕はこう宮脇君に答えた。 
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