| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七話 江田島その一

                 第七十七話  江田島
 呉駅に着くとだ、そこからだった。
 僕達は駅を出て港に向かった、その港に向かう途中に。
 美沙さんは女子部員のところから僕のところに来てだ、こう言って来た。
「本当に広島から結構ね」
「呉まで距離あったでしょ」
「ええ、意外とね」
「同じ県で近い様でも」
「それでもなのね」
「結構距離あるんだよね」
 広島市から呉市までだ。
「これが」
「まさかと思ったけれど」
「そうなんだよね」
「実はです」
 僕達のところに小夜子さんが来た、この人も部活の合宿で来ているのだ。
「広島県といっても広くて」
「それでなのね」
「広島市から呉市までもです」
「こうして距離あるのね」
「はい」
 そうだという返事だった。
「広島市から山の方に行くにしましても」
「ああ、山陰との境ね」
「島根県ですね」
「そこに行くのにもなのね」
「結構距離があります」
「そうなのね」
「呉までも」
 また言った小夜子さんだった。
「距離があります、ただ」
「ただ?」
「この呉市は結構大きな街でして」
「そういえば」
 美沙さんはここで周りを見回した、呉駅から江田島までの港まで近い。けれどその短い距離を歩く間にだ。
 周り、街中を見てだった。こう小夜子さんに言った。
「結構以上にね」
「賑わっていますね」
「人が多いのね」
「そしてお店も多いです」
 小夜子さんは美沙さんにこのことも話した。
「実は」
「そうみたいね」
「広島県第二の都市とも言われています」
「それだけ大きな街なのね」
「はい」
「確かにね」
 美沙さんは呉の街を見回し続けている、そのうえでの言葉だ。
「大きくてね」
「人も多いですね」
「すぐに江田島に行くけれど」
 それでもとも言った美沙さんだった。
「時間があったらじっくり回ってみたいわね」
「呉もいい街ですから」
 小夜子さんもその美沙さんに話す。
「その時はお楽しみ下さい」
「そうしたいわね」
「この街は歩きやすいです」
「そうなの?」
「道路が碁盤の様にしっかりしているので」
「ああ、軍港だからね」 
 何故道が碁盤の様になっているのかはだ、美沙さんにもわかった。日本ではあまりないタイプの街だけれどだ。
「そうなってるのね」
「そうです、行き来しやすい様に」
「いざという時に軍隊がね」
「だからそう整備されていてです」
「歩きやすいので」
「そうなんです」
「それ確か」
 美沙さんはその話を聞いてこの街の名前も出した。
「京都もよね」
「あの街は呉よりも遥かに前からですよね」
「ええ、平安の頃からね」
「道はああですね」
「碁盤状ね」
「最初からそうでしたので」
 その平安京の頃からだ、遠く八世紀の末に出来てからだ。七九四年は泣くよウグイスで僕も頭に入れている。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧