八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十六話 出発その十三
「そっちの将軍様はお断りだよ」
「じゃあこの仇名なしか」
「ゼネラルって将軍だしな」
「すぐにこう言われるよな」
「楽に」
「ああ、まだ一休さんの将軍様ならいいさ」
足利義満公だ、実際は一休さんが子供の頃はもう将軍位を退いていて頭も剃って出家していたらしい。
「あの人ならな」
「あの将軍様も大概じゃないか?」
「いつも仕事しないで子供とムキになって遊んでたよな」
「それで毎回負けてな」
「子供みたいに怒ってたな」
そして次の話でまた一休さんと遊んでいる。
「けれど実際はな」
「あの人色々やってたしな」
「金閣寺も建てたし」
「業績もあったな」
「だからまだましだよ」
アニメで子供と同じ高さで遊んでいてもだ。
「あっちの将軍様はな」
「けれど北の将軍様になると」
「流石にか」
「嫌か」
「幾ら何でもな」
「そうだよ、どっちもな」
先代も当代もというのだ。
「嫌だよ」
「前の将軍様はね」
僕はまずはこちらの人の話をした。
「おばさんパーマでシルクのあの作業服でシークレットブーツでね」
「あんな格好するかよ」
彼もムキになって言った。
「国民餓えさせて自分だけ腹一杯食ってたんだよな」
「メロンにお寿司にね」
「最高級のワインもだろ」
「将軍様一人の贅沢で国家財政の四分の一使ってたらしいね」
「ひでえ話だな」
「そんな状況だったからね」
「前の将軍様はか」
「それにね」
僕は次の将軍様の話もした。
「今の将軍様もそれだけ贅沢しているらしいし」
「国民が餓えててもな」
「あの太り方だからね」
「酷い話だな、それにな」
彼から言って来た。
「やっぱり変な服着てるしな」
「うん、しかも髪型もね」
「あれ何なんだよ」
今の将軍様の髪型についてだ、彼はかなり真剣に言葉にかなり大きな疑問符を入れてそのうえで言った。
「爆発したみたいな髪型」
「ドラゴンボールみたいなね」
「あの漫画に本当に出そうだよね」
「俺最初見て吹き出したよ」
あの髪型を見て、というのだ。
「何なんだよってな」
「顔もドラゴンボールに出そうだよね」
「だよな、そっちも」
「やられ役でね」
「髪型もあの漫画でな」
「そうした将軍様みたいに言われるのは」
「絶対に嫌だよ」
彼は強い声で言った。
「それこそな」
「それじゃあ」
「ああ、もういいさ」
「この仇名は」
「将軍じゃなくていいさ」
ゼネラルシャドウは日本語に訳すると影将軍だろうか。この頃の特撮の悪役は大佐とか提督とか軍人の役職の人が多かった気がする。
「普通でな」
「それじゃあ」
「もう言わないさ」
これからはというのだ。
「絶対にな」
「それじゃあね」
「ポーカーは続けるけれどな」
「そっちはなんだ」
「トランプ全体をな、じゃあ広島に着くまでな」
そこで呉線に乗り換えをするまでだ。
「ポーカーしような」
「うん、皆でね」
こう話してだ、そしてだった。
僕達は広島までポーカーを楽しんだ、それから広島駅で実際に乗り換えてだった。呉まで行った。船が待っているその街に。
第七十六話 完
2016・1・16
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