八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第七十五話 英語でもその十一
「とんでもなく難しくなるわ」
「成程ね」
「モンゴル人はそれでも乗るらしいけれど」
「あの人達はまた特別ね」
「生まれた時空馬に乗ってるから」
それでという返事だった。
「私はそこまでいかないから」
「生まれた時から乗ってたら」
「それも出来るわ、それこそあの人達は」
モンゴルの人達はというのだ、この学園にはモンゴルからの留学生の人も来ていてその人達からモンゴルの話も聞けたりする。
「特別よ」
「生まれついての馬術部員ね」
「もっとも」
「もっとなの」
「モンゴル人の足は四本よ」
そこまでいくというのだ。
「まさにね」
「つまりいつも馬に乗っている」
「遊牧民は違うのよ」
「歩くより馬」
「それで移動してるのよ」
確かにそうらしい、モンゴルから来た子の中には本当に馬に乗れないことを残念がる子がいたりするからだ。
「馬から馬に飛び乗ったりとか」
「馬に乗ったまま」
「そんなこともするらしいから」
「もう曲芸」
その話を聞いてだ、エルザさんは驚きを隠せない口調で言った。
「そこまでいくと」
「そうよね」
「モンゴル人怖い」
無表情だけれどだ、こうも言ったエルザさんだった。
「そんなことが出来るなんて」
「また特別ってことよ」
「そうなのね」
「あの人達は本当にね」
こと乗馬にかけてはというのだ。
「また別よ」
「生まれた頃から馬に乗ってるから」
「もっと言えば歩くよりも先によ」
「馬に乗ってるから」
「そうしたことも出来るのよ」
「そうなのね」
「あの人達みたいなのは」
本当にとだ、ジューンさんはしみじみとした口調で言った。
「また別格よ」
「そうなりたいけれど」
「生まれた時だから」
馬に乗っているからだというのだ。
「その気になったら鞍も鐙も手綱もなしで乗れて」
「しかも飛び移れる」
「そうなのよ」
「そういうことなのね」
「私達は普段は自分の足で歩いてるわね」
「ええ」
「モンゴルは違うから」
誰もがいつも馬に乗っているからだというのだ。
「そうしたことが出来るのよ」
「そうなの」
「そう、まあ最近そうでもないらしいけれど」
「そのモンゴル人でも」
「街で暮らす人も出て来たから」
「そういえば首都はウランバートル」
「今は街もあるから」
だからというのだ。
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