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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十五話 英語でもその十

「条件になります」
「そうだね、今川義元さんとかね」
「確か日本の戦国大名でしたわね」
「うん、駿河の戦国大名だったんだ」 
「今の静岡県ですわね」
「その人だったんだ」 
 かなり勢力を誇ったらしい、シュミレーションゲームでもよく出て来る。
「政治、軍略もそこそこだったけれど」
「足がですか」
「何でも短かったらしいんだ」 
 話によると生まれた時に手足があまりにも短くて尚且つ胴が長かったので奇形児かと疑われた程だったという。
「残っている木像は結構顔立ち整ってるけれど」
「足が短いですと」
「乗馬はだね」
「はい、難しいですわ」
 その通りという返事だった。
「どうしても」
「そうだよね」
「ですから騎兵もです」
「足が長かったんだね」
「それが第一の条件でしたの」
「馬だね」
「そうですの」
「そうなんだね、やっぱり」
「ですがあの馬はです」
 その赤い大きな馬はというのだ。
「もう大き過ぎて」
「ただ足が長いだけ無理なんだ」
「そうですの」
「そうした馬もいるんだね」
「私だと絶対に無理」
 また言って来たエルザさんだった。
「小さいから」
「エルザは足は長いけれど」
 小柄でもというのだ。
「確かにね」
「小さいから」
「あそこまでの馬は」
「そうでなくても体格のいい馬は」
 そうした馬に乗ることはというのだ。
「ちょっと無理」
「あの馬以外は大丈夫よ」
「そうなの」
「そう、普通に」
 それこそというのだ。
「乗られるわよ」
「そうだといいけれど」
「鞍と鐙、手綱があるから」
 その三つの乗馬の道具があるからというのだ。
「安心していいのよ」
「その三つね」
「そうなの」
「若しその三つがないと」 
 エルザさんはここでこうしたことを言った。
「私は乗られないのね」
「そうね、乗馬はね」
「手綱と鞍、鐙ね」
「私もその三つがないと」
「乗馬は難しいのね」
「乗られないわ」
 とてもという口調だった。
「無理よ」
「そうなの」
「だって鞍がないと安定しないし」
 まずはこれだった。
「手綱がないと馬をコントロール出来ないし」
「鐙は」
「乗り降りも乗った時の安定もね」
「それが出来ないから」
「とてもね」 
 それこそという口調での返事だった。
「出来ないわ」
「そうなの」
「その三つがないと」
 乗馬はというのだ。 
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