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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十五話 英語でもその二

「便利なものがありまして」
「着せてそれで」
「脱がしたら一気に、ですの」
「それは楽だね」
「凄くですわ、一頭一頭バリカンで刈りますと」
「一頭一頭ならいいけれど」 
 実際に羊から刈る状況を想像してだ、僕は言った。
「確かに大変だね」
「ですから」
「それを使ってなんだ」
「今は楽にしていますの」
「羊の毛を刈ることも」
「そうしていますの」
「成程ね、羊がなんだね」
 その羊についてだ、僕はさらに言った。
「一番多くてその世話がなんだ」
「一番多かったですわ」
「馬よりもかな」
「そうですね」
 その大好きな馬よりもというのだ。
「数が多いだけあって」
「世話もだね」
「一番時間をかけていましたので」
「羊はなんだ」
「馬よりも知っています」
「そうなんだね」
「ただ、馬は」
 その馬のこともだ、ジョーンさんはさらに話した。
「友達ですわ」
「ジョーンさんにとってだね」
「そうなのですわ」
 にこりと笑ってだ、ジョーンさんは僕にこうも話した。
「犬と同じだけ」
「犬ともなんだ」
「そうなのですわ」
「そういえばジョーンさん犬も好きだね」
「特にコリーが好きですわ」
「ああ、コリーは確か」
 僕はコリーと聞いて思い出した、この犬はだ。
「牧羊犬だよね」
「私の家の牧場にもいましたわ」
「狼とかから羊を守るんだね」
「牧場の周りにいて吠えますの」
 何かあったその時はというのだ。
「そうして教えてくれますの」
「戦うことはしないんだね」
「身体は大きいですけれどあまり戦ったりしませんの」
「そうなんだ」
「吠えるのを人が聞きまして」
 そしてというのだ。
「それで鉄砲なり棒を持ってなりして行きます」
「鉄砲だね」
「ライフルですわ」
「そうだね、ピストルどころじゃないね」
「ニュージーランドやオーストラリアには狼はいませんけれど」
 ユーラシア大陸と北アメリカだ、分布が広い生きものだけれどオーストラリア等には棲息していない生きものだ。
「やはり危険がありますので」
「だからだね」
「ライフルは用意していますの」
「そうなんだね」
「羊泥棒がいたりしますし」
「それ西部劇だね」
「はい、悪いことをする人はいまして」
 それこそどの国にもだ、当然ニュージーランドにも。
「オーストラリアでしたらディンゴがいますね」
「犬だね」
「はい、アボリジニーの人達が一緒に連れて来た犬ですわ」
 オーストラリアの先住民の人達があの大陸に移住した時に一緒に連れて来た犬が野生化したものがそのまま自然に入ったものらしい。
「あの犬がいますしタスマニアタイガーも」
「フクロオオカミ?」
「もういないと思いますけれど」
「あの生きものはもう絶滅したよね」
「私もそう思いますが」
「昔はいたし」
「今もいるかも知れませんし」
 もう絶滅と認定されただろうか。残念なことだと思う。 
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