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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十五話 英語でもその三

「やはり牧場もです」
「備えはなんだね」
「必要でして」
「ライフルもだね」
「実家にもありましたの」
「大変だね」
「いや、普通」
 ここでだ、もう一人の声がした。そして青と白の乗馬服のエルザさんが出て来てジョーンさんの横jに来て僕に言って来た。
「牧場にライフルは」
「オーストラリアでもですか」
「そう、そうした生きものも怖いけれど」 
 エルザさんはお国、オーストラリアの事情を話した。
「毒蛇も多いから」
「オーストラリアは」
「そう、凄く多い」
「そんなにですか」
「そっちにも気をつけないといけない」
 オーストラリアで牧場する時はというのだ。
「これは外にいても同じ、私も」
「エルザさんもですか」
「いつも気をつけていた」
「そういえばエルザさんは」
 僕はエルザさんのそのお肌と髪の毛の色を見つつ言った。
「アボリジニーの方でしたね」
「私達は自然と一緒に生きているから」
「だからですね」
「蛇にも気をつけてる」 
 実際にというのだ。
「噛まれたら死ぬから」
「血清ありますよね」
 僕はエルザさんが毒蛇のことを話すのを受けてこのお薬を話に出した。
「確か」
「ある、けれど」
「噛まれないことがですか」
「第一。血清があっても助からない場合がある」
「だからですか」
「オーストラリアの毒蛇の中には凄いのも多い」
 エルザさんはこう僕に話した。
「だから」
「マムシやハブなんか目じゃない位の」
「あんなものじゃない」
 到底という口調での返事だった。
「コブラより怖いかも知れないのがいる」
「コブラよりも」
「アマゾンと同じだけかも知れない」
「アマゾンっていうとサンゴヘビですか」
「あの蛇みたいなのが一杯いる」
 オーストラリアには、というのだ。
「だから気をつけないといけない」
「そうだったんですね」
「オーストラリアは有袋類と毒蛇の国」
 正直後者は余計だと思った、それも本気で。
「有袋類も怖いけれど」
「そっちもですか」
「カンガルーは強いし」
「ボクシングをしてきますの」
 ジョーンさんも僕に話してくれた。
「戦いにおいては」
「それで強いんだ」
「油断出来ませんわ」
「他にもフクロヤマネコとかいるから」
「油断出来ないですか」
「そう」
 その通りとだ、エルザさんは答えた。
「絶対に油断出来ない」
「そうなんですね」
「とにかく足元には注意」
 ぽつりとした口調だったけれど言うその内容は怖いものだった。 
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