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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第七十四話 お墓参りその十三

「もう隅から隅まで知ってるぜ」
「親父にとってはもうお庭みたいなものかな」
「まさにそうさ、怪談スポットも全部知ってるぜ」
「怪談スポットもね」
「この学園その話多いだろ」
「物凄くね」
 僕もこの学園に保育園の頃から通っている、それで知らない筈がない。
「何かとあるね」
「保育園、幼稚園、小学校ってな」
「中学、高校も大学もね」
「動物園にも他の博物館にもな」
「全部にそれぞれ幾つもあるね」
「何処も七不思議どころじゃないからな」
「多いからね」
「実はこの学園は世界屈指の怪談スポットでもあるんだよ」
 本当にこう言われている、僕も何度も聞いた言葉だ。
「幽霊だの妖怪の話が多いんだよ」
「河童とかキジムナーの話があってね」
「鬼や天狗もいるってな」
「トイレの花子さんもいてね」
「生きた妖怪みたいな人もいるしな」
「あの大学の?」
「悪魔博士な」
 親父は笑ってその人の仇名を言った。
「百五十歳か、確か」
「噂ではそうだよね」
「少なくともあの人百歳は超えてるんだよ」
「百歳でまだ現役なんだ」
「医学に工学に何でも知っててな」
 それこそあらゆる学問をだ。
「凄い学識の持ち主なんだよ」
「それは噂じゃなくて」
「本当だよ」
「錬金術も知ってるとか?」
「らしいな」
 親父はこのことについては曖昧に答えてきた。
「魔術とか仙術とかな」
「そっちの権威でもあるって聞いたけれど」
「そうらしいけれどな」
 ここでも曖昧な返事だった。
「俺はそれは確かめてないんだよ」
「そうなんだ」
「そういうのも興味あってな」
 それでというのだ。 
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